ホーム 02【遊びに行く】 引き潮フォトジェニック。滋賀県の写真作家が撮る、三重県津市の海の写真が美しい。写真展「津の海−再生−」開催。

引き潮フォトジェニック。滋賀県の写真作家が撮る、三重県津市の海の写真が美しい。写真展「津の海−再生−」開催。

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“誰だって心の深いところに、人には見せたくない暗い場所がある。
そこをほわっと照らしている光がある”

町屋海岸の朝 ©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA

この写真は三重県津市の町屋海岸の写真。
撮影をしたのは、篁ゆかり(たかむら)さん。

透き通るコバルトブルーの海に、白い砂浜。
燦々と降り注ぐ太陽の光と椰子の木。
海と言えばこのような写真が多いなか、
津市の海を撮影のために、滋賀県から通っているという。

この写真はガラケーで撮影した一枚 ©YUKARI TAKAMURA

津市の海はとても穏やかだ。
しかしコバルトブルーでもないしリゾート感もない。
ワタクシゴトで恐縮だが、三重県津市に生まれ育ったが、
篁さんの写真を観て、まさか津の海だと思わなかった。
その美しさに、正直驚いた。

なぜ篁さんは津の海を撮り続けるか。
また、どのような感覚でシャッターを切っているのだろうか。
インタビューさせていただいた。

左:篁さん 右:VOLVOX代表の油田さん

篁ゆかりさんプロフィール

写真作家
元舞台照明家の経験を活かし、写真、映像、あかりなどを用いて、舞踏家・俳優・音楽家らとともに作品展示や上映ライブ多数参加。

1991年 劇団銀色昆蟲館「マドンナの宝石」の参加を機にフリーの照明を始める。
1995年 パララン翠光団を中心に“見えない世界こそ見える”をテーマに芝居や舞踏の場で活躍を続ける。
2002年 照明家・岩村原太主宰“光の塾”に参加。
2003年 写真活動-ひかりのヒ-シリーズを始め、舞踏家・俳優・音楽家らとの 即興実験ライブを手がける。
2009年 Amanto天然芸術研究所にてソロ晩シアター、LOGOシリーズなどの照明担当や劇場運営に携わる。
2011年 観察記録として撮りだめした写真で個展「白河夜船」シリーズを開始。以後、関西を中心に活動を続ける。

 

Yahoo USAの三重県津市の天気予報ページにも採用された写真 ©YUKARI TAKAMURA
Yahoo USAの三重県津市の天気予報ページにも採用された写真 ©YUKARI TAKAMURA

—津の海を撮影することになったきっかけや、その魅力を教えてください。

:きっかけは友人を訪ねて津にきて、たまたま町屋海岸に行ったことです。
滋賀県に生まれ育ったので琵琶湖はあるのですが海がなくて、町屋海岸を初めて観たとき、何もないのがいいなと思いました。

©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA

—なるほど。なにもない海の魅力。

:こんなにきれいなのに、なんで誰もいないの!?って思いました。
琵琶湖とは違って、引き潮と満ち潮があるのに驚きました。
引き潮のときは、遠浅の海岸が奥まで広がるのがとても不思議でした。
誰かが、水の栓を抜いたの!?って(笑)

©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA

—たしかに、引き潮のとき、砂浜の海岸線は違った表情ですね。

:ポコッとした地形が現れたり、風が吹いて小さな波立ちが起こって太陽の光がその波に反射すると、まるで光の海の中にいるような気分になります。ナウシカの世界みたいって。
そんな瞬間、だれもいない海なので、一人で写真を撮りながらはしゃいでしまうほど楽しいです。

©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA

—篁さんの作品は光がテーマのように感じるのですが、やはり元舞台照明家の影響ですか。

:そうですね。高校生の時に演劇部で舞台照明を始めて、その頃から光を意識する習慣がついています。

©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA

—篁さんにとって光って何ですか。

:私にとって光とは、影を引き立たせるもの。
それと同時に、燦々と浴びる太陽ではなく、ほわっとしている灯。
誰だって心の深いところに、人には見せたくない暗い場所がある。
そこをほわっと照らしている光がある感じです。

©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA

—撮影するときは、引き潮を狙って撮りに行く感じですか。

:それを調べていくときもあります。
でも良い作品が撮れたときって、
朝起きて海が気になる。なぜか気になるので三重に行こう。
山の向こうで海が呼んでいる、みたいな感じです。

©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA

—それ、なんかわかるような気がきます。直感って偶然ではなく蓄積された何かが引き起こす必然なのかと。

:普通は雨の日は海にいかないのですが、この作品(上のモノクロ)を撮った日はいきました。
いかなければと。

©YUKARI TAKAMURA
©YUKARI TAKAMURA

—狙ってはだめ、みたいな感じわかります。エゴと純粋さ。

:その場所の空気、神々しいなにかと自分が混ざり合ったとき、場所のチカラを借りると意外と面白いです。なんか “撮らされた” っていう感じ(笑)。

忘れもの。海にきた子どもが、楽しすぎて忘れて帰ってしまったのかな。そんな想像をすることも楽しい。とお話しする篁さん。©YUKARI TAKAMURA
忘れもの。海にきた子どもが、楽しすぎて忘れて帰ってしまったのかな。そんな想像をすることも楽しい。とお話しする篁さん。©YUKARI TAKAMURA

—篁さんは海が好きなのですか。

:海が好き・・・、海も好きです。
三重に向かうときに一号線で行くのですが、鈴鹿の山も撮影しました。
一号線でトンネルを越えて三重に入ると、
東海の渇いた感じの光を感じます。
関西は湿気の多い光です。
三重は風が通るイメージがあります。

 


 

今回、いろいろと篁さんとお話しさせてもらい印象的だったお話しがあった。

町屋海岸で写真を撮っていたとき、地元のおじさんが近づいてきて
「こんなとこ撮らんと、伊勢志摩スカイラインの方がええで。」
と仰ったそうです。

わたしもそうですが、生まれ育った身近にある魅力は、気が付きにくいのかもしれません。
でも、外の人が発見する自分にとって身近な魅力は、言われてみればそうだなと、妙に深く納得してしまいます。

記事を書き終え、
むずむずと、なにもない海に行きたくなっている自分がいました。


 

篁ゆかり写真展
「津の海 ―再生―」
2017.5.18ー5.23

アートギャラリーVOLVOX
add 三重県津市栄町一丁目888 四天王会館1階106号室
hp http://www.volvox-stnk.net
fb https://www.facebook.com/volvox.stnk/

2017.5.20には三重県津市が誇る、大岡英介さん(タワーレコードのカテゴリー別ランキング2位)との即興ギターライブによるイベントもあります。

また、会場にて限定のCD、DVD、写真集も販売しています。

yusuke.murayama
村山祐介。OTONAMIE代表。OTONA MASTER。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事

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