買うか買わないかの前に、自然に手が伸びていた。
それ位心惹かれるものに出逢った経験はありますか?
その時に、自分の気持ちを大切にして購入するか、
冷静になり今の自分にはなかなか難しいかもしれない・・と判断するか。
でも春だし!とか、頑張ったご褒美に!とか、環境に背中を押される時もあるかも。
着物を着れないのに、一目惚れしたたアンティークの着物を購入し
そのまま着付けを習い、自分の仕事にしてしまった人もいる。
人生、モノとヒトとの出逢いで大きく変化していくな。と改めて感じました。
かねこまほさん。
着物を着る人を増やしたい。洋服とおんなじ様に着物を楽しんでほしい。
というシンプルな思いから、松阪市で、着物アトリエ【ネーケ】を主宰している。
アンティークの着物や大正レトロという枠におさまりきらない可愛さと個性的な着こなしで、一人ひとりに合ったコーディネート着付けを提案。
また着崩れない、苦しくない、着心地楽ちん綺麗な着付けをモットーにしている。
【ネーケ】という聞き馴染みのない名前はどこか外国の言葉か何か?と聞くと
理由は単純、猫とケーキが好きだから。
「好きなものをとことん、好きにできるように」との想いが込められている。
小さい頃から着物が好きだったわけではなく、
2016年に津で開催された、着物を楽しむイベントに家族で参加したのが着物に目覚めるキッカケ。
それから着物を着たくて着付け教室に通うも、その教室は3回で行かなくなってしまう。
楽しくなる前に、難しくなってしまった。
しかし、滋賀県にある着物セレクトショップtentoさんにて運命の出逢いを果たす。
そうして名張にいる、今の先生を紹介してもらい、
そこからは月1回、名張まで着物レッスンに通う。
松阪から名張まで、距離は少しあるものの通うのは大変とは感じなかった。
着れなかった着物が着れるようになっていくこと、
レッスンの後は先生と話してお茶して、骨董品屋さんで着物を一緒に見てもらい、
だんだんと枚数や小物が揃っていく。
楽しいを中心に持ってきたら、今回の着付けレッスンは自然に続いたそうです。
そうしてる内に、だんだんと自分が着たいだけでなく
「この着物ならあの子が似合いそう・・、こっちの着物はあの子が似合いそう・」と
誰かに似合う分の着物まで購入しはじめ、着付けてあげて一緒に出掛けたりし始める。
その回数と着物の枚数が増えていき、自宅も手狭になってきたしと場所を探し始めたら
とんとん拍子に場所が決まり、それなら看板がいるね。と看板も出来上がる。
(実は旦那さんが看板屋さん!)
そうして、名刺もできあがり、いろんな人に背中をぐぐぐーと押してもらい【ネーケ】がスタートしたのだそう。
「着物アトリエ」着物を着てみんなが楽しめる場所を作りたい。
しかし着物を着る人が少ない今、それだけで来る人は少ないと考え、
レンタル着物、そのコーディネート、着付け、
希望によりヘアメイクやカメラマンの手配も
着物を着るキッカケになるようにと、イベント開催なども行なっている。
この仕事をはじめて楽しいと思ったことは?と聞くと
まほさん:「着物に対しての見方を変えれた時。
着物屋さんに行くと着物→帯→草履・・・と、一式で買わされるみたいなイメージがあるじゃないですか!でも、そんなことなく自由に着物って楽しんでいいんだよ!
長襦袢の代わりにインナーにハイネックのTシャツを着たり、ブーツやサンダル合わせたり
苦しくならない様、結ばずに簡単に帯結びもできるし、もっともっと自由でいんです!」
実は私も着物が好きで、自分で一通り着ることもできるし自分の着物も何着か持っている。
正統派(というのが正しいかはわからないが)のコーディネート、
例えば着物の中の1色を帯に持ってくるとバランスが取れる、とか。
色のトーンを合わせてコーディネートすると、落ち着いて見える、とか。そんな私の概念も覆され、
ぜひまほさんのコーディネートを着てみたい!と思いました。
そこで、今回は春にお出かけ!というテーマで、着物コーディネートをしていただきました。
まず1つめ。
クリーム色のベースにピンクとブルーのパステルカラーの大きな花柄が可愛い着物に
あれこれ合わせてフィットしたのは、黒と白の格子柄の半幅帯。
帯揚げと帯締めは敢えてビビットなトーンを持ってくることでアクセントにしている。
着物の柄に合わせたような、白くて大きな帯飾りもポイント。
2つめ。
こちらも淡い白にも近い生成のベースに、オレンジや青などカラフルな柄。
「半幅帯が好きなんですよね」と言いながらストライプの帯に、
着物の柄に負けないほどインパクトのある帯飾り。
中和させるようにグレーの帯締めを入れたら綺麗なブルーのベレー帽。
「ぜひブーツで合わせたいですね」と、まほさん。
ほおーっと見惚れていた。
たくさんの着物、帯、小物の中から、さささーとまるで呼び合ってくるかの如く集まってくるのだ。
この仕事初めて、逆に困ったことや難しかったこともありますか?と質問すると。
まほさん:「困った・・というより、難しいのが全部指定のお客様に提案する時です。
たまに着物、帯、小物・・全て選んでくれる方もいるんですが、そうすると、意外と地味だったりして。任せてくれた方がもっと可愛くしてあげるよ!そう思うときがあります」と。
着物コーディネートをする際、全部出来上がったモノを提案するというよりは
着物の色柄の好き嫌いや、帯もどちらにする?など一緒に相談しながら決めてくれるそう。
その中で、自分では似合わないと思っていた色やレース、
普段はかぶらない帽子や、大きめのアクセサリーなど、意外に試してみると似合ったりして。
信じて任せてみることで、新しい自分の一面がみつかるかもしれません。
レンタルの際の価格は着付け込みで4000円〜
(今後アトリエ移転の計画があり、価格は変更予定だそうです)
袴や振袖、その他フォーマルは、別途相談。
定期的にネーケを利用していただく方には、値引きもあるそう!
着物がぐっと身近に感じられますね。
そんなネーケが、この春イベントを開催予定です!
【ピースの春祭り】
3月21日(火・祝)10:00〜17:00
場所は松阪市にある、peace cafe にて。
大人も子供も楽しめるイベントにしたい!と、様々なWSや、作家さんの雑貨やアクセササリーの販売もあります。
大人が懐かしくなる、ヨーヨー釣りや紙芝居は、子ども達がわくわくしますね!
もちろん、着物を着たい方にはレンタルも行う予定です。
松阪市内は、歴史ある街並みが残っている箇所もあるので、着物で市内を散策するものオススメですよ!
詳細は【ネーケ】のInstagram @kanekomaho で検索してください!
暖かくなってきて、着物を楽しむのにはぴったりの季節。
この春は今までとちょっと気分を変えて、着物でお花見やお散歩、いかがですか?
伊勢のストリートミュージシャンogurockの嫁。という事で肖像権はほぼないようなもの。見知らぬ方からの声かけにも慣れました。家業かつお節屋『小久保商店』の嫁としても活動中。お出汁をもっとたくさん広げたい! 5月から、松阪市にて『カブクノニカイ』はじめます。得意ジャンル:グルメ、伊勢市、料理、コーヒー