香肌峡に、秋が来ました。
松阪市西部に位置する香肌峡は、県立自然公園に指定されており、四季折々の風景を楽しむことができます。国道166号線を走るだけでも、道沿いや櫛田川沿いの紅葉にうっとり。
気象条件が合えば、車でサクッと雲海を見に行くことも。
木々の冬支度。
やがて訪れる香肌峡の静かな冬に備えて、このカラフルな光景を、たくさん目に焼き付けておきたいです。
私の冬支度といえば「とっとき餅」という、松阪市飯高町名物のきり餅を買うこと。(道の駅飯高駅や多気町のマルシェグランマで購入できます。)
晩秋から年末にかけ、忙しなく活気のある売り場でお餅を買うのが、私の楽しみの一つです。
「とっとき餅」の「とっとき」とは、「とっておき」というこの地域の方言なのだとか。私のとっておきのお餅、とっときベスト3をご紹介したいと思います。
\第3位、黒砂糖!/
ねっとりと甘く、味付け不要!焼いた時の焦げ目が好き…スイーツ系きり餅!おやつにどうぞ。
\第2位、椎茸!/
椎茸の旨味、醤油の香ばしさ!これを食べたら、もう白餅には戻れない…売り切れると困るので、あまり人に教えたくないくらいです。
\第1位、ミックス!!/
悩んだらこれ!もはや、きり餅フェス!! しそ、茶、よもぎ、やじろ(たがね)、椎茸、黒砂糖が入った、嬉しすぎるラインナップ!!
平成3年10月、松阪市飯高町の町おこしとして、主婦グループが立ち上げた「とっとき工房餅部」は、無添加・無着色で安心、地元のもち米を100%使用し、この地域の素材にこだわり続けるお餅屋さん。
白餅以外は、焼くだけで何もつけずに素材の風味を楽しむことができます。そして作っているお母さんたちがとっても元気!そんなお母さんたちが作るお餅を食べると、元気がもらえる気がするのです。
ちなみにご飯系もあります。香肌の秋、これを持って紅葉を見に行くのが最強説!
冬に繁忙期を迎えるとっとき工房さん。お正月のお雑煮用にお餅をたくさん買っておきたい!お雑煮といえば、三重県の北勢地域は味噌ベースが主流、中勢地域は味噌仕立てが多いといわれているそうですが、お餅屋さんのお雑煮事情について、少し聞いてみました。
青木さん:私は味噌やな。大根と里芋入れて、花がつおかけて食べとる。
柳瀬さん:私は醤油やよ。お餅は焼かんと、トロトロに煮るんさ。
高橋さん:うちも醤油。里芋とか揚げとか、蒲鉾入れたり。ここらへんは醤油や。
青木さん:そうそう、飯高や飯南は醤油やに!あんたとこ、どーなん?
私:それがうち、味噌なんですよ…
青木さん:はぁ?あんたとこ飯南やんかー!
津市出身の青木さんは味噌派。飯南町出身の私ですが、我が家も味噌派、飯高町の柳瀬さん、高橋さんは醤油派のドローという結果に。ちなみに、入れる餅は全員白餅でした。餅米にうるち米を混ぜた、やじろ(南勢地域の呼び方。北勢地域では、たがねと呼ぶらしい。)を入れる地域もあるとのこと。
そんな時、工房に飯高駅の片浦店長が登場。
私:片浦さん、どちらのご出身でしたっけ?
片浦店長:え、僕?横浜。
…横浜感を微塵も感じさせない、飯高生まれ飯高育ちの片浦店長も、醤油派とのことでした。地域や家庭によって具材や餅の形などにも違いがあり、なかなか奥が深そうなお雑煮事情。皆さんのお宅は、味噌派?醤油派?どんなお餅を入れますか?
香肌峡の恵み「とっとき餅」で冬支度。心温まる冬を迎えましょう。
とっとき工房有限事業責任組合
三重県松阪市飯高町宮前177番地
0598-46-1800
※電話で注文可能。飯高駅、マルシェグランマ(多気町)で購入できます。
読んで頂き、ありがとうございます。三重県松阪市の山間部、70もの橋が架かる香肌峡在住。地元の写真部としても活動しており、香肌峡を旅するように暮らしています。フォトスポットやクセになるディープなお店をご紹介したいです。