鈴鹿市白子にある子安観音寺。
子が安ずると書くように、安産・子授け・子育て祈願の有名なお寺です。
こちらに国指定の天然記念物になっている貴重な木があるとのことで、行ってきました。
まずは、仁王門をくぐって入りますが、
門には阿形と吽形の立派な仁王様。
吽形の仁王様(本堂に向かって左) と
阿形の仁王様(本堂に向かって右)
阿形はいのちの始まりを、吽形はいのちの結びを示しているといいいます。
仁王門を通って中に入るというのは、「人生は正にその中にあり、これまでの報恩に感謝する」という思いをもって、くぐる意味があるんですね!
仁王門の向こう側には本堂が見えます。
境内に入って、本堂の前には、
可愛いパネルが出迎えてくれています。
また、本堂に向かって右側には立派な三重塔の塔が佇んでいます。
塔の中には大日如来、文殊菩薩、普賢菩薩の知性と感性の仏様が祀られていて、『智慧の塔』とも云われているそうです。
一方、本堂の左側の方を見ると、
ありました!!
白子の『不断桜』。
この桜は里桜の一種で、四季を通じて葉や花が絶えず、春・秋・冬と花が咲くそうです!
四季桜と云われる桜は他にもありますが、この種の原木とされていて、大正12年に国の天然記念物に指定されたとのことです。
また、本尊の白衣観世音の霊験(神仏が示す不思議な力のこと)により咲くと尊ばれている桜でもあるそうです。
にも、多くの言い伝えがあって、
こちらの縁起(寺院の伝え)には、天平宝字(西暦757年~)年間、雷火のため焼失した伽藍(僧侶が集まり修行する清浄な場所寺院のこと)跡に芽生えた桜と云われていたり、
永禄十年(1567)、里村紹巴という連歌師が東国に下ったときの紀行に「白子山観音寺に不断桜とて名木あり」と記されたり、
能楽観世流の貞亭三年版にある謡曲「不断桜」はこの桜を謡ったものであったり、
とても由緒があって、また、貴重な桜であることが伺えました!!
こういうことを知って改めて不断桜を眺めてみると、
長きに渡って人々を魅了したすごい桜の力強さを一際感じました!
春が花の最盛期とのことですが、春だけでなく秋や冬の時季にも是非とも訪れたい!
そんな子安観音寺の『不断桜』は、虫食いの葉の模様が「伊勢型紙」の発祥になったとも云われていて、魅力いっぱいの桜に感動しました!
なお、伊勢型紙は小紋や友禅、浴衣などの文様の型染めに用いられる型紙で、三重県鈴鹿市の伝統工芸で、国の伝統工芸品に指定されています。
また、子安観音寺近くには伊勢型紙や鈴鹿墨が常設展示されている「鈴鹿市伝統産業会館」があり、こちらでは体験や日曜日には職人さんの実演が設けられていて、身近に鈴鹿市の伝統工芸に触れ合うことが出来ます!
「不断桜」と「伊勢型紙」が深く関わりのあることに感動しました!
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