伊勢神宮がある伊勢市のとなり明和町。
伊勢街道が残り、趣きのある町並みがあります。
近鉄斎宮駅からすぐのところにある、菓子工房すみ野。
古民家をリンベーションした室内はまちかど博物館で、個展などが行われています。
訪れた令和3年の夏は、様々な楽器が展示されていました。
(開催中の展示はこちらをチェック)
ここを運営するのは音楽家の大場さん。
御自宅の一部を使った展示スペースと琥珀糖の販売コーナーがあります。
展示室で見つけたレトロなガラス瓶や製薬の道具。
大場さんのひいお爺さんはここで薬屋を営まれていたそうです。
江戸や明治期に、お伊勢参りの参拝者で賑わった伊勢街道。
そこにあった薬屋。
なんだか風情のある情景が浮かびます。
レトロで落ち着いた空間にマッチする、カラフルでお洒落な琥珀糖とパッケージ。
パッケージは、こちらも音楽家のご主人がデザイン。
今では遠方からも買いに来る客がいるという琥珀糖。
なぜ製造販売することになったのでしょうか。
ことのはじまりは、この家でホームコンサートを行っていて、沖縄の音楽家をゲストに招いたこと。
沖縄の海のイメージにあ合うお茶菓子を考えていたところ、琥珀糖が浮かんだ。
知り合いからは琥珀糖は作るのが難しいと言われていたそう。
でも実際に作ってみると「あれ・・、できた!」となったそうで、それからは着色をしたりいろんな琥珀糖づくりにハマる。
毎日のように琥珀糖づくりに没頭し、自分たちだけでは食べきれないくらいの量ができ、母の老人会仲間の皆さんに配ることもあった。
一年くらい前に「その琥珀糖はどこで売っているの?」と聞かれ、知り合いに誘われてまずは斎宮満月屋台のマルシェに出店。
「本当に売れるのだろうか?」と思っていた大場さん。
しかし結果、すべての商品が売り切れた。
その後、室内に販売コーナーをつくり、琥珀糖づくりにさらに没頭。
砂糖と寒天だけでつくる琥珀糖は、外はシャリッとした食感で、中からはジュワーとさっぱりとした甘味が優しく溢れる。
琥珀糖は製品となる大きさの型に流し込んでつくるのではなく、8cm程の四角い型に流し込んだ後にひと口大にカットをする。
壊れやすい琥珀糖のカットは難しく、今でも夜な夜なカットの作業に勤しみつつ、ちょっとしたグラデーションの美しさに喜びを感じるという。
好きなことにハマったら、それが商品となり、さらにハマっていく。
そんなキラキラと輝く熱量は、美しい琥珀糖にも現れていると思った。
いつきこはくの近くには斎宮や竹神社などもあり、ふらっと日帰り散策にもおすすめです。
また、遠方から伊勢神宮をさらに愉しむために、斎宮や伊勢街道を巡った旅のお土産にも喜ばれそうです。
菓子工房すみ野
多気郡明和町斎宮118
tel 0596-52-2062
hp http://itsukikohaku.tokyo/
in https://www.instagram.com/kohaku_sumino
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事