犬のように働いて、ふとSNSをのぞくとタイムラインには楽しそうにワーケーション中の友人の写真。いや、ワーケーションというか海で楽しそうなアクティビティをしたり、お洒落BBQをしたりと遊んでいる写真だ。ワーケーションのワーク・・どこいった!と小さく突っ込む。
ワーケーションなんて、ワーケーションなんて・・。くそっ。
私はパソコンさえあれば、なんとかなる職種。でも働く環境を変えるのは、なんだか不安だ。本当に集中できるのだろうか。あ、あの紙資料がない、とかはならないか。そもそも遊びたい気持ちを自制心で押さえながら仕事をすることはできるのだろうか?
でも、うらやましい。
ワーケーションをしている友人が、うらやましいのです。
おしゃれ×いまどき=ワーケーション。つまり私のなかでイケてるわけです。
しかしイメージができない。41歳にもなったおじさん※が、おしゃれ空間で仕事に集中できるなんて。スキを見せないよう、逆に体力を使って疲れてしまうかも知れない。ワーケーションで何がしたいんだ?わたし・・。
※おじさんと書くと、私よりもっとオジサンの人から「お前はまだオジサンではない」と突っ込まれることがあるのでこういう場合、壮年という便利な単語があります。少年(14歳まで)、青年(24歳まで)、壮年(44歳まで)、中年(64歳まで)、高年(それ以上)by 日本漢字能力検定。私は、中年に近い壮年ということで、ここではおじさんと表記させてください。肩凝りとかエグいです。
おじさん×疲れやすい=癒されたい
これだ!温泉ワーケーション!もし会社にもどらなくてはいけなくなったらどうしよう。ということで、近場で温泉ワーケーションをやってみました。
温泉に入って熟睡
以前に知り合いから湯治文化について聞いたことがあった。もともとは農家の方などが閑散期に温泉宿に何週間も連泊して疲れを癒し、作付けや収穫期に向けて滋養を回復させる日本の文化。つまり温泉にゆったりと何回も浸ることができる温泉国日本の素晴らしい文化です。
さすがに何週間も会社を休み、いやワーケーションをする時間やお金もないので2泊3日で行った。
向かったのは自宅から車で約30分のところにある猪の倉温泉。
猪の倉温泉は大きく二つに分かれていて、日帰り客用の施設・しらさぎ苑(食堂やマッサージ施設などもあり)と宿泊客の旅館棟・ふよう荘がある。宿泊客はどちらの温泉も入れる。
猪の倉温泉はイチゴやブルーベリーの生産や収穫体験、カフェ、メダカの館、ウサギ小屋、グランドゴルフなどなど、いろいろ楽しめる複合施設。キャンプ場まであった。また早くから六次産業化を行い地域資源を活かした取り組みも行っている。
ここを選んだ理由として、畳でゴロゴロできる和室もいいなと思った。16時くらいに部屋に付くとパソコンやサイドモニター、Wi-Fiなどをセットして、仕事の前にまずは温泉。
宿泊棟にある美肌の湯の扉を開けるとだれもいない。貸切状態にテンションが上がる。
部屋にもどり、メールやチャットであれこれやり取りをしていたらもう夜。
夕食は日帰り棟の食堂で食べる。
初日だから仕事はここまでにして、すぐに生ビールが呑めるヘブン。ソバと揚げ出し豆腐という、おじさんの鉄板メニューを食べ、そのまま温泉へ。
こっちの棟には露店風呂もあり、日常を忘れる心地良い開放感に浸る。
部屋にもどり近くのコンビニで買ってあったお酒を吞み就寝。
普段は夜中に何度か目が覚めるのだが、温泉のおかげで熟睡。こんなに朝の目覚めが爽快なのはいつ以来だろう。
温泉は発想がうまれる場
宿泊棟の食堂で朝ご飯を予約してあった。
思った以上に豪華で美味しかった。
部屋にもどり仕事をしているときに目に留まった、チラシを加工したティッシュの箱が、なんだか懐かしい。日帰り棟で昼食を済ませて休憩スペースでスラムダンクを読み、また温泉へ。
ここで感じたのですが、仕事の間に温泉に入るとリフレッシュできて新しい発想が生まれたり、普段より視野を広げて考えられるのです。
その後仕事をしたり散歩したりして、ビールと夕食を済ませ温泉へ。もう何回入ったか分からないですが、何回入っても温泉は「ハァ〜♨︎」ってなりました。飽きないです!温泉。
翌朝も思った以上に豪華な朝食に驚きつつチェックアウト。そういえばチェックインのときに何気なくワーケーションであることを伝えると、珈琲と自家製キャンディーをもらった。いま思い出しながら文章を書いていたら、また温泉に入りたくなってきた。
マスクで磨れて赤くなっていた頬も治ったし、なんだか心の視野もスッキリしたし、帰りも車で30分だし、近場で温泉ワーケーションは最高でした。
え!なんだって?
まだワーケーションしたことないだって?
そんなあなたもパソコン持って近場の温泉に直行だー!!
猪の倉温泉
津市白山町佐田2562-1
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事