みなさんはどんな働き方をしてますか?
アルバイト、正社員、派遣社員。
自営業、はたまた副業もしてる?
主婦業や子育ても大変ですよね。
「いろんな雇用形態を制覇したくて、あと何やってないかな~。あ、個人事業主や!」
そう思ってお菓子作りを始めたという、今回はそんなすごい行動力を持った女の子のお話。
久居にある「伊賀米米粉のお菓子 TAKI」
伊賀米米粉を使い、小麦粉、バター、白砂糖不使用の身体に優しいお菓子を引っさげて、県内外のイベントに出店。
お菓子の美味しさはもちろんのこと、作っているTAKIさんの魅力にとりつかれるファン多数。(しかもおじさん率が高いらしい)
そんな前情報をもって、2020年12月にオープンしたばかりのお店にお邪魔してきました。
場所は久居二ノ町。久居駅から徒歩10分弱。
近くに久居八幡宮やアルスプラザがあり、津市と合併する前は市役所などがあった街の中心地。
店内は約20畳ほどの広さ。
扉を開けた瞬間から、なんだか外国に来たかのような雰囲気。
可愛らしい家具にレトロな花柄の壁紙、茶色の大きなアンティークのドアが目を引きます。
なぜお菓子を作り始める事になったのですか?と聞いたら、冒頭の答え。
自分で何かしたいと思う人はたくさんいても、そこから実際に行動に起こせる人はほんのわずか。
しかもスピード感をもって。かっこよすぎる。
相可高校の食物調理科を卒業。その高校入試の時の小論文のテーマが「地産地消」で、自分が何を書いたかを未だに覚えているそう。
その後専門学校を経て、飲食関係と車関係の仕事で派遣や契約社員、アルバイトに正社員・・と、いろんな雇用形態を経験していく中で、自分から提案した企画が跳ね除けられたり、「前例がないから」や「今まで通りで大丈夫」など、会社という枠組みの中でできることに限界を感じはじめていた。
自分が考えた事で、直接リアクションを返してもらえるような事・・人に喜んでもらえそうな事ってなんだろう・・と考えたら、お菓子作りだった。と。
三重県で生まれ育ったから三重県産のモノを使う。
お菓子作りをするなら「地産地消」というのはTAKIさんの中でとても自然な流れだったそう。
続いてはそのお菓子についてのお話。
まずは米粉を使うことについて、最初から決めていたの?
全然そんなことないです!
パテェシエさんが作る甘く繊細なケーキは、修行した彼らが作る方が絶対に美味しい。なら、私は同じフィールドに立つのではなく正解のないものを作ろう。と思った。
三重には美味しい伊賀米があるから米粉もいいな~。と思い、とりあえずノープランで伊賀へ。
お菓子やパンを扱ってるお店をまわり、1番名前を聞いたのが「阿山農産」さん。
そこで阿山農産さんにアポイントをとり、試しに米粉を使わせてもらう・・という流れから試作が始まっていった。
ちょうどその頃、米粉をもっと広めたい!と阿山農産さんも思っていたタイミングだったそう。
TAKIさんの引きの強ささ、感じます。笑
何度も試作を重ねるうちに、米粉の美味しさを引き立たせるためには、白砂糖の甘さとバターのコクが強すぎると感じ使わなくなった。
そして可能限り県内の食材をと考え
卵は多気町から、米油は桑名、マイヤーレモンは紀北、クッキーに使うあおさは鳥羽・・
県内から調達が難しいものは、国内産。
それも難しいものは、海外のものも使うができるだけ有機やオーガニックといった身体に優しい素材を選ぶよう心がけている。
次は販売スタイルについてのお話。
2017年12月に「TAKI」をスタート。
米粉のお菓子を携えて、愛知、岐阜、静岡、滋賀、大阪、京都・・たまに三重、各地のイベントに出店し始める。
前職は車の営業、販売をやっていたという程の車好きで、長距離を運転するのもいい息抜き。イベント出店でいろんな人に出会えるのが楽しくて仕方なかった。
週末のイベントに向けお菓子を作り、そこで年齢や業種など関係なく広がっていく人間関係。
「仕事って、こんなに楽しいの?!」と思いながら、日々を過ごしていた3年目の2020年4月。
新型コロナウイルス感染拡大防止の為の緊急事態宣言により、全てのイベント出店が中止に、目の前が、すんっ。と暗くなった。
それでもめげないTAKIさん。これを機にオンラインショップを、本格的に稼働させる。
おうち消費、おこもり需要のおかげかイベント出店の頃よりも売り上げが伸び始め、めちゃくちゃ忙しくなっていく。
お菓子を作り、インスタにアップ、梱包、発送、またお菓子作り。その繰り返し誰とも話す事なく日々が過ぎ、お菓子作りはどんどん作業となり工場化していった。
好きなお菓子作りが嫌いになると思った。
自分のメンタルを保ちつつ、今の仕事を続けられるように”精神を安定させる場”を作らなあかん
→お客さんと話す場が欲しい
→じゃあ店だそう!との結論に。
自分で行けないなら、向こうから来てもらえばいい。
地産地消を軸に置きながらも、イベント出店で県外ばかり行っていたから意外と三重県の人に食べてもらう機会が少ないと感じていたのもあり、TAKI 店舗化計画は一気に進み2020年12月、オープンとなった。
一般的にお店を持つと「ついにやったね!」「夢が叶ったね!」など言われるが、店舗を持つことが夢だったわけではなく、柔軟に自分が続けられるスタイルを追求したらこれだった。
元々人と絡むのや話すのが好きだから、対面の販売スタイルを選んだ。というTAKIさん。
オープン日には今までに出会った、たくさんのお客さんが会いにきてくれたという。
お菓子のテイクアウト以外にドリンクのテイクアウトやオーダーケーキの製作もおこなっている。
オーダーケーキの製作は2週間前までの要予約。
気になる方は、まずお問い合わせしてみてください。
そして、この先やりたい事は?の問いにも、出てくるでてくるTAKI ワールド。
1つは新しくワクワクできるような事を妄想中。でも、これはまだ秘密。(近いうちに実現してほしい!)
もう1つはお店を出した「久居」という土地を盛り上げる事。
先日新しくオープンした久居アルスプラザ。駅からアルスプラザまでのの道が黄色く舗装されている、通称「アルスの小道」というらしい。
ちょうど、その道沿いにあるTAKI。
行政の方も街を良くしようとしているのなら、追い抜け追い越せ的に何か自分でもできないかと。考えている。
20~30年前まで盛り上がっていたであろう駅前のお店や飲み屋街。地域の高齢化も進み、今や空き店舗の方が多くなってしまっているこの街を盛り上げる方法を模索中。
少し先の未来が楽しみになる街って、とっても素敵!
そして近い未来のお話では、この春から、新たにに伊賀米を使っておにぎりを販売しようと考えている。
最高ランクの伊賀米を使用し、お腹いっぱいになるおにぎり。
詳細発表を楽しみに待ってます。
最後に、今の働き方、合ってますか?と尋ねると
「ストレス、ないですね。好きなもの、嫌いなものがはっきりして悩む事がなくなりました。
そうすると、頭の中に余白ができるので考え事がしやすくなりました」と。
この言葉、すごく心にずん。ときました。
私もその頭の中の余白感じたい!って思いながら、この記事書いてます。笑
店舗へ行って、TAKIさんと話して、お菓子を味わって、あなたの身体全部で、余白から生まれるTAKIワールドを感じてみてください。
伊賀米 米粉のお菓子TAKI
三重県津市二ノ町1860
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伊勢のストリートミュージシャンogurockの嫁。という事で肖像権はほぼないようなもの。見知らぬ方からの声かけにも慣れました。家業かつお節屋『小久保商店』の嫁としても活動中。お出汁をもっとたくさん広げたい! 5月から、松阪市にて『カブクノニカイ』はじめます。得意ジャンル:グルメ、伊勢市、料理、コーヒー