松阪市を通る国道166号線。道沿いをエメラルドグリーンの櫛田川が流れ、香肌峡県立自然公園にも指定されており、バイカーやサイクリストに人気の国道です。
その国道からローカルな道に入ると、地元住民により大切にされている日本の原風景や、ディープなお店が点在しています。又、およそ70もの橋が架かっているそうで、中には歴史を感じるこんな橋まで。お気に入りの橋を探すのも楽しいかもしれません。
櫛田川流域は、全国屈指の優良な木材の生産地であり、古くから製材品の生産が盛んな地域です。香肌峡には、多くの製材工場がありますが、私が子供だった頃に比べると製材工場の廃業が目立つようになりました。長期化する木材価格の下落や、安価な外国産材との競合、木材需要の減少が主な原因のようです。
それで、少しまじめに、身近にある「木」のことを考えてみました。私たちの身近にある「木」の一つとして、割り箸があります。
皆さんは、日本の割箸事情をご存知ですか。
割り箸の木目を、じっくり見たことがありますか。
三重の県堺で職人達が作る「三重県産割箸」に心を奪われてしまい、一気に西へ進み過ぎて、いよいよ県堺まで来てしまいました。
松阪市飯高町栃谷にある波瀬割箸さんにお邪魔しました。事業主の水谷さんに、現在の割箸事情や、国産割箸と日本の森林保全の関係について等、色々教えて頂きました。
<波瀬割箸さんについて>
昭和38年、個人商店水谷木工を開業され、平成16年に休業。原因は、林業不振による原材料入手難、過疎高齢化での人手不足、安価な外国産材に押されたことでした。しかし、平成26年に当時の事業主の息子(現在の事業主)が中心となり事業を再開。省力化を図り、より高品質な製品で市場開拓を行ってきました。そして、令和2年の現在、飲食店からの注文は激減し、先の見えない新型コロナウイルス感染症の大流行という逆境のさなかですが、常に新たなアイデアを求め、前向きに三重県産割箸の生産に励まれています。
我が国で利用される割り箸の約98%が輸入であり、そのほとんどが中国産となっています。価格の低い輸入割り箸に押されて、国産割り箸製造業者の多くは撤退・縮小を余儀なくされました。
波瀬割箸さんで生産されている割り箸は、全て、端材を有効利用したものです。木材を加工した際にできる端材を、町内の製材工場などから仕入れ、無駄の無いよう一つ一つ丁寧に作られています。又、私たち一人ひとりが意識して間伐材を利用することが日本の森林保全に繋がり、間伐材や木材加工時の端材から作られる割箸を利用することは、エコな行動であるということを教えて頂きました。
お話をうかがった事業主の水谷さん。
熟練の技を持つ職人さん。
箸は口に直接触れるもの。なにより、小さい子供を持つ母親としては、三重県産の木材を使った安心・安全な割り箸は、とてもありがたいものです。
ところで皆さんは、割り箸の木目をじっくり見たことありますか。
波瀬割箸さんの割箸は、木目がとても綺麗なのです。「柾引き」という、木の木目に沿って切る工程に、熟練の技が詰まっています。きれいにまっすぐ木目が出ていることで、割り箸を割る際に、気持ち良いほどきれいにスパッと割れるのです。是非、体感して頂きたいです。
波瀬割箸
三重県松阪市飯高町栃谷103番地
0598-47-0755
※ふるさと納税返礼品にも登録されています。
https://www.furusato-tax.jp/product/detail/24204/340803
最後に、波瀬割箸さんの近くで食べるなら、「県境のブラジル」、グリーンライフ山林舎さんがお勧め。(※要予約)本格ブラジル料理が味わえます。波瀬割箸さんの割り箸もこちらで購入できます。食後は、すぐ近くの川に降り、清流に親しんではいかがでしょうか。
とてもお肉の柔らかな鳥の丸焼きでした!
フェイジョンという、国民的な豆料理。
食後は涼を求めて川へ。
グリーンライフ山林舎
0598-47-0326
https://greenlife-sanrinsha.com/
まだまだ紹介しきれていないスポットがたくさんあり、今回は絞るのに苦戦しました。また少しづつ記事にしていければど思います。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
読んで頂き、ありがとうございます。三重県松阪市の山間部、70もの橋が架かる香肌峡在住。地元の写真部としても活動しており、香肌峡を旅するように暮らしています。フォトスポットやクセになるディープなお店をご紹介したいです。