ホーム 02【遊びに行く】 古墳女子(男子)必見!三重が誇る駅近の巨大前方後円墳

古墳女子(男子)必見!三重が誇る駅近の巨大前方後円墳

歴史好きの女子、いわゆる「歴女」が注目されて久しい。最近は、「歴女」の中でも古墳に強い愛着を持つ「古墳女子」がじわじわと増えているそうだ。折しも、本年7月、仁徳天皇陵とされる大仙陵古墳を含む古市・百舌鳥古墳群の世界文化遺産への登録が決まり、古墳女子にとどまらず、世間の古墳への関心が高まっている。

いざ古墳を見に行きたいと思った場合、まずは全国トップ10に入るような巨大前方後円墳が思い浮かぶ。しかし、前述の大仙陵古墳をはじめ全国トップ10に入るような巨大前方後円墳は天皇陵などとして宮内庁により管理されていることが多く、そもそも中に立ち入ることができない。また、運よく立ち入りができる前方後円墳の場合でも、木々が生い茂っていて、楽しく散策という雰囲気ではなく、さらに、前方後円墳の美しい形もよくわからず、外から眺めても単なる小山にしか見えない場合も少なくない。

そんな中、気軽に立ち入れて、前方後円墳をじっくり味わいたいという古墳女子のような方にぴったりの古墳が、なんと三重県にあるのだ。

それは、名張市にある馬塚古墳である。

名張市を含む伊賀地域は、近畿と東海の中間にある交通の要衝として古代から重要視される地域であったため、当時の有力者の墳墓である古墳が数多く存在している。馬塚古墳が属する美旗古墳群は、4世紀から6世紀の数百年にわたり築かれた、殿塚古墳、女郎塚古墳、毘沙門塚古墳、馬塚古墳、貴人塚古墳という5基の前方後円墳をはじめ大小様々な円墳や方墳で構成される一大古墳群であり、国史跡にも指定されている。

馬塚古墳は、その美旗古墳群中最大の前方後円墳であり、全長142m高さ14mを誇っている。三重県下では、伊賀市の御墓山古墳(全長190m)に次ぐ第2位の規模であり、全国的にもトップ100以内に入る大きさである。

馬塚古墳は、出土した埴輪等から今から1600年くらい前の5世紀半ばに築かれたと考えられている。馬塚古墳の近隣の古墳からは甲冑や鉄剣等の武具や武器が出土しており、馬塚古墳の被葬者も当時のヤマト政権において軍事的側面で重要な役割を果たしていたことが想像される。しかし、残念なことに、竪穴式石室があったと考えられる馬塚古墳の中心部は盗掘にあっており、発掘調査も行われていないため、馬塚古墳の被葬者の詳細についてはまだ謎のベールに包まれている。

そんな馬塚古墳には、古墳好きの人が訪れるのにぴったりの数々のおススメポイントがある。

1.駅近

馬塚古墳の最寄駅は、三重県の幹線的鉄道の一つである近鉄大阪線の美旗駅だ。美旗駅には快速急行も含め特急以外の全ての列車が停車するので、非常に利便性が高い。

そして、美旗駅を出てたったの徒歩5分で馬塚古墳に到着するのだ。

美旗駅を出てすぐの光景。奥に見える木々のあるあたりが馬塚古墳

仮に駅に降りなくても、近鉄電車に乗られた際に、美旗駅近辺で車窓を見ていただければ、馬塚古墳の前方後円墳の形をばっちる捉えることができるだろう。

2.前方後円墳の形がはっきりわかる

例えば、伊賀上野観光協会のWEBサイトで「全体が森に覆われていてはっきりとした形はわかりません」と述べられている三重県最大の伊賀市の御墓山古墳のように、木々が生い茂っていて前方後円墳の形がよくわからない巨大古墳が多い中、馬塚古墳は、木があまり生えておらず、前方後円墳の形を綺麗に確認することができる。古墳の周囲をお堀である「周濠」が取り囲んでいること、後円部は三段、前方部は二段で築成されていること、前方部と後円部をつなぐくびれ部に「造り出し」と呼ばれる突起状の部分が設けられていることなど、前方後円墳のディティールがよく観察できるのは、馬塚古墳ならではだ。

小道が通る出っ張り部分が「造り出し」

 

3.古墳ならではの要素が良く残っている

古代に作られた当初の前方後円墳は、その側面に「葺石」と呼ばれる小石が敷き詰められ、墳丘上には「埴輪」が立ち並んでいた。多くの前方後円墳では、長い年月の中で葺石や埴輪は、風雨等で崩れたり、失われたりしているが、馬塚古墳では、葺石や埴輪片を今も確認することができ、往時を偲ぶことができる。

残存する葺石
散布している埴輪片

ただし、葺石や埴輪片は貴重な文化財であるため、見るだけにとどめて、持ち帰ったりはしないようにお願いしたい。

4 散策コースが整備されている

馬塚古墳では、後円部に沿って散策路が整備されており、気軽に歩いて回ることができる。その散策路には、江戸時代に設けられたお地蔵様が並んでいて、良い味を出している。

 

また、前方部は広場になっていて、ベンチも設置され公園のようになっており、子供連れにも人気のスポットになっている。

小高い丘ともいえる後円部の墳頂部からは美旗地区を一望することもできる。

このように馬塚古墳は、気軽に前方後円墳を満喫できる絶好のスポットであるといえる。古墳女子、古墳男子に限らず、興味を持たれた方は、三重県が誇る駅近の前方後円墳、馬塚古墳を訪れてみてはいかがだろうか。

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