ホーム 02【遊びに行く】 植物図鑑に飛び込むワクワク感!魅惑のボタニカルデザインワールドへ@MieMu

植物図鑑に飛び込むワクワク感!魅惑のボタニカルデザインワールドへ@MieMu

私は小さいころ「たくさんのふしぎ」という月刊誌をよく読んでいた。

猫の暮らしぶりや昆虫の生態など毎号違うテーマを取り上げて、身の回りの物事がどうしてそうなるのかを親しみやすく、かつ理論立てて書かれていて、幼心に毎月の楽しみとして定着していた理科系の雑誌だ。

今回、三重県総合博物館(MieMu)で開催されている「ボタニカル・デザイン ー植物のかたち、その観察ー」に足を踏み入れた瞬間、久しぶりに「たくさんのふしぎ」のページをめくったような感覚に陥った。

 

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今回の展示はMieMuが開館して5周年を記念した展示のひとつで、第23回を数える。
展示会場は2階と3階に分かれており、それぞれ3階が「植物とその周辺の生き物や環境」を4章立てで解説したもの、2階が「実際の植物の鉢植え展示」で本物を観察する事ができる。
ちなみに展示で使用されている写真の一枚一枚は、同館の学芸員の方が撮影したもの。撮影期間は4〜5年に登るというから、企画展への力の入れ方や練られた構想は半端ないと感じた。

 

—第1章「花のしかけ」

まず3階会場に向かう。第1章「花のしかけ」。
ここでは花の形や生き残るための仕組みなど、それぞれの花がなぜその形態を取るのかを知ることができる。

最初に目に飛び込んでくるのは、優しいイラストで植物が描かれた門。
柔らかな雰囲気でありながら精密さが際立つ絵に心惹かれる。

派手な花もあれば控えめな花もあるが、形態の構造は種子を実らせるための戦略なのだという。
それを虫に任せる者、風に委ねる者、水の流れに漂う者など生き残るための術は様々。

植物標本は押し花となっており、何だかアート作品然としていて美術館に来たのかと思わせる。もちろんここは博物館。

どうやって綺麗に押し花状にするかも学べるので、何かの作品を作る時に活かせそう。

 

—第2章「タネの旅」

種が遠くに移動することで、その母体の拡散の可能性が広がる。
どのように種は運ばれ、大地に根付くのか。
ここではまず、大きな桃や柿の模型がお出迎え。

実をつけるために花が咲き、その次の段階である種はいかに効率的に繁栄させるか。
形状などから、多様な種が蒔かれる方法「散布」を知ることができる。

動物に運ばれたり、風に吹かれたり、時には衣類にひっついて人に疎まれたりしながらも、種たちは芽を出す機会を伺う。

野生動物のようなゴワゴワした肌触り。

実際に本物の木の実に触れられるハンズオンコーナーもあり、その手触りやサイズ感を確かめることもできる。
視覚だけでなく、他の感覚にも訴える仕掛けは本だけでは得ることはできない。

 

 

—第3章「葉のくふう」

どんな植物にも葉があり、それが光合成をして栄養を作り出すというのは小学校で学んだ。
しかし、植物の種類によって不思議な生態を持つことは習った記憶が無い。

若いヒイラギの葉。

例えばクリスマス飾りや節分の魔除けとして人の暮らしに昔から馴染んでいる、トゲトゲのヒイラギ。

成長したヒイラギの葉。

実は成長するにつれトゲが無くなり丸い葉をつけるようになる。
ヒイラギは若く小さい木の頃は、身を守るためにそのようなトゲトゲの形になるらしい。
若い頃は尖りたいのは、人間も植物も同じとも思えた。

一定の角度を保ちながら成長、アロエのなかま。

葉っぱが茎から生えるのにも一定の法則があり、植物により法則が異なる。
自然界は不規則ではなく、実はきちんとした秩序の元、何代も何代も植物は生き延びてきたのだなぁとあらためて関心した。

こちらにも実際に触れられる一角が。
思わず触感を試してみたくなる。

4m越えのセイタカアワダチソウの実物展示は圧巻。
同館の敷地内に生えていたものとのこと。
どうしたら、背比べをして勝てるかな?(笑)

 

—第4章「ボタニカル・デザインと人のくらし」

自然の中で生きる植物を見てきて、最後は人間との関係を紹介。

美味しく、美しく、より実用性高くなど様々な思いを持って品種改良されてきた数多の植物。

植物の美しさを反映させた模様や人工物のは、私たちの生活に植物がどれだけ深く関係しているか再確認させてくれる。

日本人なら身近に感じる食べ物、アズキ。
でも実はアズキの葉は、雑草としてこのあたりにもよく自生していると聞くのは初耳。

最後は、博物館の学芸員の方々が力を合わせて作ったとボタニカル・デザインの間。

 

 

—2階会場

ヒイラギ

2階会場には、3階会場に関連した実物の植物の鉢植えがずらりと並ぶ。

子どもの頃、冒頭に書いた雑誌でも特集されていた記憶がある食虫植物。
食虫植物は光合成だけでは補えない栄養を、虫から得ているのだとか。
そして捕獲する部分は、花ではなく葉の一部というのも初めて知る。

こちらは多肉植物・リトープスの仲間が小石に紛れてかくれんぼ。
さて、どこに多肉植物があるでしょうか?
是非肉眼で確認してみて。

身近だけれど、実は見落とされがちな植物のふしぎに触れられる今展示は6月16日(日)まで開催中。ちょうど季節は緑が元気に萌える時、子どもの頃のような好奇心を開いて、図鑑のような空間に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

 


 

三重県総合博物館 MieMu(ミエム)

MieMuとOTONAMIEのコラボ、OtonaMieMu(オトナミエム)。

住所:三重県津市一身田上津部田3060
TEL:059-228-2283
ホームページ:http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/
Facebook:https://www.facebook.com/mie.pref.museum
Twitter:https://twitter.com/mie_pref_museum

※第23回企画展 ボタニカル・デザイン ー植物のかたち、その観察ー 2019年4月20日(土)~6月16日(日)まで開催。関連イベントもあるみたいです。詳しくはMieMuホームページで。

 

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