ホーム 02【遊びに行く】 人は表現したい生き物だから。パンフェスタが教えてくれた思いの津ながり@イオンモール津南

人は表現したい生き物だから。パンフェスタが教えてくれた思いの津ながり@イオンモール津南

高校生の頃、学級日誌に
「どこのパンがおいしくて、それがいったいなぜおいしいのか」
を書いていた。
そんな黒歴史に恥じる気なんて一ミリもないくらいには、今もパンが大好きだ。

会場に立ちこめる甘く濃厚なパンの匂い……。
匂いだけですでにテンションが爆上げされたのは言うまでもない。

 

みんな大好きパン!パンを食べよう!

パンは正義……おいしそうが過ぎるよ。

今回お邪魔したのはイオンモール津南でのパンフェスタ。
津市や津市近隣のパン屋さんを中心に十数店舗のお店が一堂に会する大イベントだ。

行列はモール内に収まらず・・
モール外まで長蛇の列

到着したのは開場の一時間半前だったにもかかわらず、ブースの前にはすでに多くの人が並んでいた。

津市では有名なククサのパン。
パンなのにかわいい。

今回パンフェスタを中心となって企画したのは事務所で働くひとりの女性。
普段は事務所でリテールサポート(それぞれの飲食店とイオンとで連携をとって売り上げや企画について考える)の仕事をしている。
つまり催事企画をするのは初めてのことらしい。

パンフェスタ企画担当の女性スタッフ

担当女性:すごく不安が大きかったです。私にできるかなぁって。でもこうしてお客さんが並んでくださっているのを見ると、やってよかったなぁって。感無量です。でも食品催事がこんなに大変なものだとは思いませんでした。

出店しているお店のバリエーションを見るだけで、とてもよく練られた企画だということがひしひし伝わってくる。

地域に太く根差しているパン屋さん、めったにオープンしないパン屋さん、山奥にあってなかなか足を運ぶことができないパン屋さん、他府県からの厳選されたパン屋さん…目を引くお店ばかりだった。

ぜひ出店をお願いしたかったという、明和町にある「ベーグルファンズ」

 

パンを通じて地域と津ながる

三重県津市に住んで気づけば早十年…。
ところがまだまだ知らない町だらけだ。
まして小さい子どもが(三人います)いると行動範囲は限られる。
そんな中、特に目を引いたのがこちら。

酸味のあるふくよかな香りが食欲をそそる。
「ワインとチーズに合いますよ」とのこと。

火の谷温泉の石窯パン。
普段は週に二回の予約販売のみでしか買うことができないうえに、場所は奈良との県境の美杉だ。
「まじかよ」と声が聞こえてきそうですね。
そう、山奥の山奥でしか買うことができないのだ。
美杉町にある火の谷は水道さえ通っていない。
住民は山の湧き水で暮らしており、そしてこのパンもその湧き水でつくられている。
さらに言うとこの酵母は火の谷で醸造される火の谷ビールの酵母だ。
なに、もはやおいしそうとか食べたいとかいろいろ通り越して神聖……。

少し熱っぽくなってしまったけれど、そんな普段ならそうそう食べる機会に恵まれないようなパンがこのパンフェスタに招待されていた。
(もちろん買った)

このパンフェスタを通じて、なかなか知ることのできない地域に目が向いた人もきっといたはずだ。
お店と人と地域が津ながっていく、それは彼女が最も叶えたかったことのひとつだった。

津市栗真町のte-te(テテ)さん。取材を終えて駆けつけた時には売り切れだった…。市内においしいパン屋さんのイメージが加わった。

 

サンバレーから津ながる人々

担当女性:個人的には、ここで働いていてくださっているスタッフさんにも喜んでいただけるような企画にしたいな、と思いました。

実は彼女、サンバレー時代にアモスタイルというテナントで働いていた。

担当女性:求人を見て、ここでまた働きたいと思って。愛着ですね。サンバレーで働いて楽しかったなぁ、またそこで働きたいなぁ、って。

サンバレー時代からの思いは強い。
それは彼女に限らず地域の人たちにとっても同じだ。

23号線側のエントランスを出ると芝生の広場があるのをご存じだろうか。
大きな白い滑り台と、人工芝が広がっている。
その広場の名前は「サンバレー公園」だ。

担当女性:いくつか候補が出た時にお客様に投票してもらったんですよ。圧倒的な人気が『サンバレー公園』だったんです。

こうしてリニューアルして、すっかりきれいに様変わりした新たなモールでもその名前を遺していきたいと思う人が大勢いる。
それはサンバレーという場所が、深く地域に根差し、愛されてきたことの証でもある。

担当女性:サンバレーから愛してくださっているお客様に恩返しじゃないですけど、これからもお願いしますという意味で、こういった企画をどんどんやっていきたいなって思います。

 

モールで働くみんなと津ながる

担当女性:イオンモール津南の事務所の雰囲気がすごく良くて。みんながみんなを支えていて、ひとりでがんばるんではなくて、みんなで協力して、イオンモール津南をつくっていくという気持ちがあるんです。

イオンモールいうと大型の商業施設ということもあって正直なところ、商店街などで感じるようなぬくもりや温かさとは無縁だと思っていた。
でも、よく考えてみたら、そうだ、ここで働く人たちが確かにいる。

担当女性:スタッフにいろいろと挑戦させてくれる、GM(ゼネラルマネージャー)と働けることがすごく幸せ。

まるで夢をみるような眼差しで彼女はそう言った。

阿江GM

阿江GMはスイーツのイベントがしたいと話した彼女に、

阿江GM:スイーツは賞味期限の問題もある。まずはハードルを下げてパンで始めるのはどうだろう。

とアドバイスをしたという。

阿江GM:やっぱり働いていると何か表現したいじゃないですか。自分の好きなことでこんなことやってみたいとか、お客さんに喜んでもらいたいとか、みんなあるんですね。せっかく勤めたからにはやっぱりなにかやってみたいもんね、みんな。なかなかやりたいことをやれる環境ってないことが多いじゃないですか。

私はいつか観た映画みたいに「ここで働かせてください!」と叫びそうになった。
そうだ。私たちはみんな表現をしたいのだ。
みんなそれぞれ好きなものがあって、伝えたいことがあって、見せたいもの、聞かせたいことがある。
ここで働く人々にとって、その思いを描くキャンバスがイオンモール津南なのだ。
そして、その背中を押してくれる心強い味方がいる。
こんな素敵な職場ってきっとなかなか出会えない。

終始控えめだった彼女がきっぱりと言った言葉が印象的だった。

担当女性:働きがいがあります。

サンバレーのように、いや、サンバレー以上に愛されるモールになることは約束されたようなものだ。このキャンバスはどこまでも鮮やかに、そしてあたたかく彩られていくのだから。

担当女性:みんなに愛されるモールにしたいんです。

うん、きっとなる。

 

この場所が津ながっていく

取材が終わったあと、イオンモールで遊んでいた子どもたちと合流してパンを買った。
買ったパンを持って「サンバレー公園」へ向かう。

子どもたちは芝生を走り、歓声を上げ、滑り台を百万回くらい滑っていた。
走りつかれると「ママ!パンちょうだい」と小さな手のひらをこちらに寄こす。
「ありがとう」と言って、いっきにふたつほおばってまた走り出す。

サンバレーだったことなんて彼らは忘れてしまう。
パンフェスタのことも忘れてしまうかもしれない。

けれど、この場所で弾けそうなほどわくわくしたことを忘れることはきっとないだろう。

「ああ楽しかった」

それだけで十分だ。
その思いだけでこの場所は未来へ津ながっていくのだから。

 


 

イオンモール津南
住所:三重県津市高茶屋小森町145番地
電話:059-238-4100

 

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