こんにちは。
おでこツルツルの村山です。
今回はそんなツル男が「つる鶴」というお店で、うどんをツルったというお話です。
松阪市嬉野にある、めん処つる鶴。
土曜日のお昼。
ほぼ満席。
あれ?
カツ丼を食べているお客さんの率が高い・・。
店内の張り紙を読み切ってしまい、カツ丼好きの私はもう・・、食べたい!
そう、世の中は誘惑で満ちあふれているのです。
しかし誘惑に打ちかってこそオトナの男。
家族できていたので、昼から一杯飲みたいなあと思い、酒のあてに玄関で見かけた、週末限定の鶏唐揚げを注文しようかな壁に目をやると・・、
コロッケの玉子とじ、大根の天ぷら、野瀬商店のあれこれ・・。
ずらりと魅惑的な一品。
またも誘惑・・。
私:ハイボールと天ぷらうどん。あと、野瀬商店の五目がんももください。
女将さん:五目がんも、できるか聞いてきますので少々お待ちくださいね。
女将さん:ごめんなさい。五目がんもできないんです。
私:じゃあ、鶏の唐揚げで。
なんでも壁にある単品メニューは、土日の夜限定の居酒屋タイム用で、手が空いていて仕込みができているときには昼間に出すこともある一品料理とのことだった。
息子:カツ丼ください。
すばらしい!
女将さん:ハイボールお待たせしました!
おっきい!
そっか、デフォルトがメガハイボールだったのかあ。
なにも考えずにドリンクメニューすら見ずに頼んだメガハイボールをみて、こどもたちはケラケラと笑っていた。
唐揚げはころもが細かく、ジューシーで柔らかかった。
ハイボールと唐揚げ。
これぞおっさん的、正しい休日の過ごし方。
おいしそうな天ぷらうどんが到着。
では、ツルツルっと・・。
雑味がなく、かつおだしの上品な香り、しょうゆの深い味わい。
口に運ぶたびに、じわじわとうま味がからだに染み込んでいく感覚。
息子にもらったカツ丼をひとくち。
すっと歯切れが良い豚肉は、やわらかくジューシー。
あまくない味付けで、だしが効いている。
たまねぎも程よい食感。
写真ではわかりずらいが、お皿が大きくボリュームがあった。
張り紙に書いてあったとおり、最上級の豚ロース、地元の米やたまご、淡路島のたまねぎのおいしさをふんだんに愉しめる。
すっかり満足な昼食を終え、会計をすませて大将にお話をうかがった。
つる鶴は、津市の結城神社近くの冨士屋で修行を積んだ大将が、約30年前に開業。
大将:30年間ひとりで作ってきました。だれかがやったら、味が変わってしまうでしょ。
鳥羽の名旅館、戸田屋でも料理を学んだことがあるという大将。
うどんやカツ丼で印象的だった「だし」について聞いてみた。
大将:かつおぶしは、近所のかつおぶし屋で独自のブレンドをしてもらっています。あとしょうゆにはこだわっているんです。通常の3倍くらいの値段がします。
しょうゆの銘柄は企業秘密ということだった。
そして、店で使っているしょうゆは水に垂らしても味があって飲めるが、安いしょうゆだとすっぱくておいしくないと教えてくれた。
私:やはり地元のお客さんが多いですか?
大将:いやー、わからないんです。料理を食べにきたお客さんに、あまりしゃべりかけると失礼かなって。
そういって大将は笑いながら話を続けてくれた。
大将:値段もね、30年間変えてないんです。
店内を見渡すと、サイン色紙など。
大将:むかしバレーボールやっていまして。
つい、いろいろな質問をさせてもらい気が付くと店内には私だけになっていた。
カウンターのいすの背もたれには、クッション。
お客さんが帰っていくときには、ひとりひとりに大きな声で挨拶していた大将。
そして、味への妥協なき姿勢。
どこにでもありそうなお店。
しかしずっと続いているお店には、なにか秘訣があるものだ。
ところで、あの大将が作った大根の天ぷらやコロッケの玉子とじは、どんな味がするのだろう。
今度、夜にきて食べてみよう。
週末のたのしみがひとつ増えた昼下がりだった。
めん処 つる鶴
松阪市嬉野須賀町1332−5
tel 0598-42-1589
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事