ずらーーーーーっと。
カゴメケチャップにサンスター…歴史を感じる。
この看板たち、今となってはかなり高額のものだそう(小声)
今回はくらしの道具展だよ!
じゃん。
今までとは趣向を変えたエントランス。
渋くていいですね。
(鈴鹿高校書道部による鈴鹿墨を使った書だそうです)
「くらしの道具」と言うだけあって、暮らしに根差したものの歴史をみることができます。
【くらしに根差した道具たち】
毎日食べますね、まずはごはん。
映画とかテレビで観たよっていう子どもたちもいますよね、きっと。
古式ゆかしいレトロモデルに見えますが、これでも当時は非常に画期的なモデル(?)だったそうです。
地面に直接造られていた従来のかまどとは違って、このかまどごと設置が可能になったのです。
少し高さがある場所に据え置くこともでき、これが、椅子や台に腰かけて飯炊きができる、という素晴らしい発明だったそうな。
それが、
こうなって、
こう。
炊飯器ひとつをとっても歴史が深いのがよく分かります。
お父さんの時代はね、おばあちゃんの時代はね、なんて話声が聞こえてきそうですね。
ご飯が炊けたらお茶碗へ。
うん?
うん???
大黒さまが自動車に乗ってる幼児用飯茶碗。
その後ろには「百萬両」…すごいとしか言えない。
ぜひ肉眼でお確かめください。
さて、こちらはハレの日のための道具たち。
伸し餅を作るためのものから、押し寿司を作るものまで。
ハレの日を家族の味で祝っていたことがよく分かります。
どれももうほとんどの家庭で見られなくなったものばかり。
生活様式と共に消えゆく道具がある、という現実が、楽しかったであろうハレの日の向こうに沈んでいったようで少し寂しい気持ち。
ここは三重県。
もち街道という言葉も聞かれるほど、もちに根深い県。
こちらはあられをいるための道具。
いかにあられが生活の一部だったか…三重県人のあられ愛が見える、見えるよ…。
私の義父もフリスクがわりにあられ食べてます。
おいしいよね、あられ。
あ、ほっこりゾーン。
私の実家は今でもそんなに変わらないんですが…言われてみれば今の住宅でこういう風景は見ないかも。
水屋箪笥、今の子どもたちは知らないのかもしれませんね。
なんでリビングに箪笥があるのって思うかな。
これ、大人もちょっと回したくなるやつ。
大豆なんかをゴリゴリ引いていたそうです。
昔話でしか見たことない!
ぜひごりごりやってみてください。
意外と軽いよ!
さてさて、こちらはお洗濯ゾーン。
洗濯板から二層式洗濯機まで。進化の過程がよくわかります。
て、手回し?!!
なんとかして洗濯板から脱却を図りたかった当時の人たちの努力が見えますね…。
電気洗濯機が普及するまでのほんの短い間だったそうです。
貴重。
このローラーで脱水してたとか…ものすごくアナログだけど知恵が光ってますね。
洗濯がいかに家事労働のウェイトを占めていたか。
なんとかして少しでも手間を減らしたかったのでしょうね。
これだけ全自動洗濯機が当たり前になってもやっぱりお洗濯って面倒です。
早く自動洗濯物おたたみ機が大流行してほしい。
いきなりですが。
こちら、何をする道具かわかりますか??
片手鍋のような…でもなにか台座が付いてる…。
分からないことはすぐ聞く派。
「これはなんですか?」
学芸員さん「これは十能と言って炭を運ぶものです。ここに熱くなった炭を入れて運ぶんです。台座が付いているので、ちょっと下に置くこともできるようになっているんですよ」
へぇええええ。
気になったことがあったら近くにいる学芸員さんに聞いてみましょうね。
優しく教えてくれます。
ふむふむ。こんな就寝用の行火(あんか)に炭を運んで入れていたんですね。
カイロ。懐炉って書くのか!!!懐の炉、なるほど…!!
暖をとるための道具がこれだけあるのに対し、涼をかなえる道具は、みて、これだけ。
ちんまり。
これは吉田兼好が「住宅は夏のことを考えて建てるべし」と言ったことに由来しているのだとか。
日本の住宅は風がよく通って夏が涼しくなるように造られていた、と言われていますよね。
その分、冬の厳しさにはずいぶんと知恵を絞ったようです。
おや、おやおや。
これ、漫画で観たことある。
蚊帳だ。
どれどれ。
思ってたより硬くて張りがある。
蚊よけって最高じゃない???と思ったけど、今の高気密な住宅でこんなの張ったら埃がすごくつきそうですね。
開けっ放しの風通しだった住宅事情だからかなった道具です。
今でもアフリカなどではマラリア予防に蚊帳が活躍しているそうですよ。
「パタパタしてから、身体を反転させて素早く中へ」
難しい…。
なにこれ?素敵なガラス製品が。
と思ったらハエ取り機…。
おう…まじかよ。
可憐なフォルムでハエ取り機とか。
でもこれとてもよく考えられていて、なるほど!なんです。
どうやってハエを捕ったと思いますか??
ふふふ。
内緒にしておくのでぜひ実際にその目で見て、考えてみてください。
答は学芸員さんに、ぜひ。
ちびっ子たちがくぎ付けになること間違いなしですね。
ホーローのおまる(左)かわいい…。
その隣に、陶器の便器が。
お坊家を彷彿とさせますね。しませんか?
あ、そう。
この肥担桶(こえたご)に入れて、排泄物を運んでいたそうです。
「ねえねえ、運んでどうするの?」
とかわいらしい無垢な声が聞こえてきそうですね。
解説がしっかり書いてあるのでぜひ教えてあげてください。
子どもたちの驚きと歓声が聞こえてくるようです。
【三重の伝統工芸品たち】
最後に、せひ見てほしい、三重の伝統工芸品の数々。
見慣れた地名の中にこんな優れた工芸品が…ずらっと。
まだまだ知らないことがたくさん。
物があふれる現代社会。
大量生産、大量消費の世の中で私たちが遺していくべきはなんだろう。
進化していく道具と共に、失われつつある先人の知恵と技術。
修理を重ねて何年も使い続けることができた道具たち、壊れても買い替えるほうが早い家電製品。
正解なんてないけれど、今回の展示は道具とは何か、暮らしとは何かを考えさせられます。
良いものを永く、未来に繋げていけるように、使うことの意味、所有することの意義を見つめなおしていきたくなりました。
お帰りの前に、二階の三重グッドデザイン展もどうそ~。
伝統と革新。
伝統を未来に遺す現代製品が勢ぞろい。
いいね!
尾鷲のまげわっぱ。ここ数年のインスタグラムやSNSで根強い人気ですよね。
ほしい。
こうして、若い世代が伝統を受け継いで生活に根差していくこと、とっても素敵だと思います。
良いものを永く、大切に使って次へ繋げること、使う側ができることを少しずつできたらいいな。
さて、ミュージアムショップもちらっとお邪魔してかーえろっと。
お土産にいかがでしょう。
お豆腐じゃないよ。
伊勢木綿の手ぬぐいだよ。
さんちゃんクッキーかわい。
「ぼくも大好き!」
え、まじ??
◎おまけ◎
見上げたモビールにさんちゃんがいるよ。
探してね!!!
MieMu 三重県総合博物館
第22回企画展 くらしの道具~いま・むかし~
2018.12.15(土)→2019.2.17(日)
〈高校生以下無料〉
住所:三重県津市一身田上津部田3060
TEL:059-228-2283
ホームページ:http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/
Facebook:https://www.facebook.com/mie.pref.museum
Twitter:https://twitter.com/mie_pref_museum
8歳、6歳、4歳の3児の母です。ライターをしています。