ホーム 00Otona Act 地域課題 まるで白身のトロ!醤油も弾くトロさわらは旬ノリノリだ@答志島

まるで白身のトロ!醤油も弾くトロさわらは旬ノリノリだ@答志島

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この島は、なんでこんなにも美しいのだろう。

キラキラと輝く海とコンクリートのコントラスト。
漁船の郷土感。

そして漁村の狭い路地を歩けば、いつも何かにハッとさせられる。

今回はこのじんじろ車に、胸を鷲づかみにされた。

グリップは塩ビパイプ。
黄色い洗濯ばさみは、何を挟むのだろう。
白ペンキで書かれた、小さな手書きロゴ。
カラーリングやレトロ感が、もう百点満点だ。
お願いだから東京中目黒あたりの、お洒落なレトロ雑貨屋とかに売らないで欲しい。

昭和の時代に世界から脚光を浴びた、日本のモダンアート集団「具体」を思い出した。
これはいわゆる、無意識の意識が織りなす現代アートの作品みたいだ。

太陽が燦々と降り注ぐここは、目に飛び込んでくる色がとても鮮やか。
海、石積み、コンクリートの道、そして石積みの上にブロック塀の小屋。
私は、決してふざけているわけじゃない。
この島にある物がアートに見えるのは、私だけではないはずだ。

手書きの「とまれ」。
愛おしさすら覚える。

今回やってきたのは、鳥羽市答志島。
鳥羽マリンターミナルから定期船で約20分。
県庁所在地の津市から1時間とちょっとで行ける、離島だ。

 

答志の漁港

私は3年程前から答志島に取材で行くことが多く、この島の虜になった。
そして昨年の今頃、旬を迎えた答志島名産のサワラの刺身を食べた。
それ以来、あの味を思い出すと・・、体がゾワっとするくらい食べたくなる。
そう、他の刺身ではダメなのだ。例えマグロのトロであっても。

そんな答志島のサワラは今年「答志島トロさわら(以下トロさわら)」としてブランド化された。
名前に答志島と付くが、答志島の答志、和具浦、桃取、そして隣の菅島で捕れた厳しい規準をクリアしたさわらが、トロさわらとして出荷されている。
まずは、どのように水揚げされているのかを見学に答志の漁港に向かった。

トロさわらは1本釣りのさわらのみ。
まだ漁港に1本釣りの漁船が帰ってきておらず、しばらく競りや水揚げされた魚を見学。

まるで水族館。
いろんな魚がいる。
魚の色彩やカタチは見ていて飽きない。
ちなみに、答志の漁港の見学は当日に漁港の受付で手続きをすれば、だれでも無料で可能だ。

イカの目はこんなにも美しく、時に鋭い眼差しに見えることもある。
そうこうしているうちに、さわらの1本釣り漁船が帰ってきた。

ポイッとさわらを投げたりはしない。
1本ずつ丁寧に置き、そして運ぶ。

測量をして(2,1kg)以上(4.7kg)以下のさわらがトロさわらの候補となる。
この漁船は4本の水揚げがあった。

厳しい基準を満たした1本のみ、トロさわらとしてブランドタグが付けられて出荷されることになった。

素人目にはわかりにくいが、写真の様に小さな傷があるだけで、トロさわらには認定されない。
規準は厳しい。

漁港を後にして、次はトロさわらを味わいに向かった。

 

醤油も弾く、脂のノリ。

答志の漁港から徒歩5分程、道中の美しい風景を眺めながら歩く。

美さきに到着。

出迎えてくれたのは、料理人であり美さきの若旦那である、橋本崇さん。
生まれも育ちも、答志島だ。

温泉ソムリエの資格も持つ橋本さんは、ポスターのモデルにもなった。
そして毎年答志島で開催される、wideloop in 答志島 beach partyというレイブイベント(野外音楽フェス)も運営していて、昨年は約700名がイベントに押し寄せた。

部屋から見る景色。
この島は本当に美しい。

早速運ばれてきた、トロさわらや答志島で捕れた魚貝の料理。
まずは、トロさわらの刺身をいただく。

醤油を弾くほどの脂。
口に運ぶと、旨みを含んだサラサラの脂は溶け、柔らかい身は解けていく。
これだ!体が求めていた味は。
トロさわらは、2〜3日ほど寝かすと脂のノリが抜群に良くなる。

続いて、トロさわらの押し寿司、焼き物、煮付けをいただいた。
脂が乗っていて身が柔らかいので、どんな調理法でも美味しい。
箸を運ぶたびに、いちいち呻っている自分がいた。

こちらは答志島の桃取で捕れたブランド牡蠣、桃こまち。
なんでも熱を加えても、縮みにくいと聞いたことがある。

話は変わるが、答志島の位置を見て欲しい。
赤いピンが答志島。木曽三川や清流宮川から山の養分を含んだ水が伊勢湾に流れる。伊勢湾は逆時計回りの海流。養分を含んだ水はプランクトンを育て、そのプランクトンを餌にする小魚などが育つ。その小魚を狙って色んな魚が捕れる。
答志島はそのような海流をもろに受けている。つまり漁業をするのに恵まれた海域だ。
答志島に限ったことではないが、この辺りがその昔、朝廷に食材を献上していた御食つ国であるのも地図を見ると納得できる。
小難しい話はこれくらいにして・・。

タコ漁も行う答志島のタコや、さわらの炊き込みご飯もいただいた。
私はこの日、何回美味しいといったかわからない。

突如、同行していたカメラマンが白ごはんを注文。

トロさわらの即席海鮮丼をつくっていた。
とろける脂はきっと、ごはんの熱でイイ感じになっていたに違いない。

▲美さきではレンタサイクルも行っている。因みに今回は自転車とスーパーカブを定期船に積んで答志島に入った。自転車で潮風を感じ、絶景を眺めながらのサイクリングもおすすめ。

体いっぱいにさわらを満たし、美さきを後にした。

約3年前、初めて答志島にいったときに衝撃を受けたガゾリンスタンド?私はいつもこれを見ると「ただいま」と言いたくなる。

定期船を待つ時間、島のおじいさんが話しかけてくれた。
話題はもちろん、さわら。
この島の人にとって、さわらは特別な存在だ。

帰りの定期船のなかで、なぜこの島はこんなにも美しいのか、ぼんやりと考えていた。
多分それは、お日様の光をいっぱい浴びて、おいしい魚をたくさん食べている人が暮らしているからだと思う。
食べることに困らない地域で暮らす人に、せかせかと働く私のような者にはない余裕を感じることがある。
余裕は、遊び心や地域への想いのある暮らしを作る。
そういった心や想いが、独自の景観をつくり、美しい海や伝統ある漁業を守っている気がした。

そして本文を書きながら、早くも体がトロさわらを求めているのであった。

 


 

美さき
鳥羽市答志町415
tel 0599-37-2141
hp http://misakiryokan.co.jp
fb https://www.facebook.com/答志島温泉-くつろぎの宿-美さき-472836359415156/

トロさわらが食べれるお店
hp https://torosawara.com/tabereru_omise.html

トロさわらが食べれるお宿
hp https://torosawara.com/tabereru_oyado.html

鳥羽磯部漁協答志支所
鳥羽市答志町241−1
tel 0599-37-2018
トロさわらhp https://torosawara.com

※答志島では様々なアクティビティを楽しむことができます。
島の旅社 http://www.shima-tabi.net
海島遊民くらぶ http://oz-group.jp

※OTONAMIEで掲載した答志島の過去記事も参照ください。
https://otonamie.jp/?s=答志島

 

yusuke.murayama

村山祐介。OTONAMIE代表。OTONA MASTER。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事

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