こんにちは!ほぼ食レポ出身のライター、TOSHIです。フランス文学科出身です。
皆さん、ガレットは好きですか?また、「日本風のクレープ」と「フランス風のクレープ」の違いって知ってますか?
そして、それ以上のものを、私はこのお店で見つけました。
今回、「忍者の里」として有名な伊賀市で思わぬ店を発見しました。伊賀グルメに興味がある方、クレープ大好きなあなた、必見です!
|伊賀グルメ。忍者の里の「小さなフランス」
ここは三重県伊賀市、伊賀流忍術発祥の地です。上野市駅からは伊賀上野城も見え、そちらの方には、伊賀流忍術博物館もあります。
今回は、反対の方へ。駅前すぐに、新天地Otonariという商店街があるんですよ。お洒落な感じですね。どんな伊賀グルメがあるんでしょうか?
まぶしいくらい白い壁に、ぱっと輝く黄色い窓がある、素敵なお店です。
なんだか、南フランスにあるお店みたいだなあ・・・と思っていたら、その中にフランス人らしい男性が、それも、くつろいだ様子でいらっしゃったので、幻かと思うくらい驚きました。
店内に入り、「ボンジュール(こんにちは)!」と声をかけてみると、
「あっ、フランス語。ここでは久しぶりに聞きましたよ」
ここは「フルール ド ランジェ(Fleur d’Oranger)」というお店で、この方は店主のジャンポール・バラティエさん。
フランス人店主が作る本場のクレープとガレットが人気だそうです。
ちなみにポールさんは、「クレーピエ(クレープ職人)」の資格も持っているとか。凄いですね!
そう言うと、ポールさんは、それに対して自分なりの意見をサラッと述べました。それを聞いて、私、「『フランス』って、やっぱりいいなあ」と思ったんですね。自分の意見を言うことがあってもいいのかもしれない。とにかく、フランスは真の自由の国。
「忍者の里」伊賀で、フランスをも旅しているような、不思議な気分です。
|伊賀グルメ。ガレット、「フランス風のクレープ」と「日本風のクレープ」
ガレットがあるのが嬉しいです。そこで私は、ガレットの定番といわれる「コンプレ(850円)」を頼みました。
皆さん、ガレットという食べものがあるのを知っていますか。
また、「日本風のクレープ」と「フランス風のクレープ」の違いをご存じでしょうか。
クレープは、フランスのブルターニュ地方が発祥の料理です。元になったのがガレットという料理。
ブルターニュ地方は土地が貧しく気候も冷涼であるため、小麦の栽培が困難でそばが常食とされていました。古くはそば粥やそばがきにして食べていたのが、そば粥を偶然、焼けた石の上に落としたところ、薄いパン状に焼きあがることを発見しました。
石で焼いたことからフランス語で小石を意味するガレ(galet)にちなんでガレット(galette)と名付けられたいうのが通説です。
その後、ルイ13世の妻であったアンヌ王女がガレットを気にいり、宮廷料理にとりいれたといわれています。生地もそば粉から小麦粉になり、クレープと呼ばれるようになりました。
また、日本でクレープがメジャーになった時、紆余曲折があって、「日本風のクレープ」ができたそう。
原宿のなかの1店舗がある暑い夏、アイスクリームが入った、和菓子「最中(もなか)」にヒントを得て、クレープにアイスクリームを入れてみました。
すると、たちまち話題を呼んで、この商品をきっかけにクレープそのものも全国に普及していったのです。
「フランス風のクレープ」と「日本風のクレープ」ってちょっと違うんですね。
フランスで好まれるクレープは主にシンプルなもの。砂糖をふって食べたり、ジャムをはさんだり。
そしてこの店は、「フランス風のクレープ」と「日本風のクレープ」の両方が味わえる場所なのです。
クレープのメニューは、生地の味をシンプルに味わえる「シュガー(350円)」から、バニラアイスにかけるソースを選べる「アイス(550円)、「チョコレートバナナ(450円)」、「ヌテラ(450円)」などなど。「レモネード(650円)」はこちらのオリジナルだそうで、夏のイチオシだとか。
|伊賀グルメ。ガレットはきっと、優しい食べもの
東海地区にも本格的なクレープのお店がありますが、私はそこに行くとほぼ必ずガレットを注文します。
ガレットが好きなんです。それに、クレープはよくあるけれど、ガレットはなかなか食べられませんから。
ガレットを食べると、本当に優しい味というのは、こういうものかもしれない、と感動します。
ずっと昔、きっと、本当は小麦をもっと食べたかった、豊かではない土地の人達のお腹を、進化したかたちでおいしく満たしてくれた、優しい食べもの。誰かのお母さんと家族の味。
外国の食べものなのにこんなに優しいのは、関わってきた幾多の人達の気持ちがあるからではないでしょうか。少なくとも、私はポールさんのガレットを待つ間、ごちそうにはない独特の待ち遠しさを感じたのです。
ポールさん:「さあ、どうぞ!」
ああ、やっぱり、「おいしい」という一言では片づけられない味。素朴で滋味に富む、体にしみいる、ありがたい・・・これは日本でいうとどんな食べものなんだろう?とにかく私は今、フランスのごく一部、でも実はきっと深いものを、この人から受け取ったんだ。
ーー私、実はこれから大事な用事があるんですよ。でもこれ食べたら、なんだか元気がでた。
ポールさん:「本当!よかったね」
ーーはい、ありがとうございます。
日本語は勉強中のポールさん。でも、「日本風のクレープ」を注文した地元人らしいカップルの接客にも、一緒に屋外でお茶を飲もう、と誘ってくれる英語の上手な日本人の友達とのおしゃべりにも応じ、リラックスしながら楽しげに働いていらっしゃいます。
ポールさん:「僕は若い頃、カメラマンだったんですよ。南フランス出身だけれど、パリにいたことがあります。それからカンボジアのドキュメンタリーを撮ったのがきっかけで、NGOの仕事についていろんな国に行きました。カンボジア、アフガニスタン、アフリカ・・・。その仕事がきっかけで妻に出会いました」
ーー凄いですね、私、外国旅行中に歯のつめものがとれた時、自分はとても外国では暮らせないって思いましたけど。
ポールさん:「ああ、僕も歯医者は苦手です」
ーーそれであなたはカンボジアで歯医者に行ったんですか。
ポールさん:「いやあ、そういえば、行かなかった」
・・・なんというか、こういう方って、丈夫なんですね。
|「温かみ」、フランスらしさも
この日は用事があったので、あとでまた立ち寄ると、私が頑張って疲れていたのを感じたのか、ポールさんは今日、会ったばかりの私にメニューにはない、ラム酒入りのコーヒーをくださいました。
次はないかもしれませんが、自由な優しさ、というのはそういうものではないでしょうか。
後日、奥様からもお話が聞けたのですが、「伊賀でマイペースで暮らせているポールさんは凄いですね」と述べたら、
「夫はどこにいても自分らしさを大事にしているから、マイペースなのでしょうね。この陽気な主人のお店で、『温かみ』を感じていただけたら嬉しいです」
最後に、これは私見なのですが、こういう、都市部から離れた場所であっても、「フランスらしさ」、自分らしさを大切にしているから、この店はいい店なのではないでしょうか。パリの文化ばかりがフランスではなく、お客様とのふれあい、優しさも生まれた国が違えばまた少しずつ違うものだと思うのです。
おいしさと、それ以上のものがある。「フルール ド ランジェ」とポールさん、皆さんに幸あれ、です。
「フルール ド ランジェ」
Open 12:00-18:00 Close 月曜日、火曜日
三重県伊賀市上野丸之内23 新天地OtonariC
参考[人気スイーツランキング]
http://sweets.cake100.net/30.html
[クレープ天国]
http://www.crapeheaven.com/
※記事内の情報は2018年7月現在のものであり、すべてのサービスは予告なく変更になる場合があります。

「それでも東海は世界一」と愛してやまない、ほぼ食レポ出身のライター。三重県出身だが、最近三重のよさに目ざめた。某調理師専門学校の通信生。旅と食、人間の美がライフワークです。別名は竹井夙(たけいとし・「夙」の字は「しゅく」で変換可)。https://ameblo.jp/6104163/ 得意ジャンル:食レポ、旅行関係、人間の美の追求