こんにちは、cannyです!
“いい旅だったなぁ”
そんなふうに思い返したくなるのは、どんな旅だろう
美味しいご飯を食べて
きれいな景色を見て
心地よいベッドでぐっすり眠る
そして、普段の生活では巡り合えないような、その土地の人と出会うことも
旅の醍醐味のひとつではないでしょうか。
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そんな、地元の人と旅する人が交わる場所が、三重県松阪市にある
「LODGER Hostel & Restaurant」です。
松阪駅から商店街通りを歩いて約5分。
2017年5月にオープンしたLODGER(ロジャー)は、1階がレストラン、2階、3階がゲストハウス。
地元では誰もが知る定食屋「松崎屋」の建物を改装してできた、松阪初のゲストハウスです。
【ゲストハウスとは】
ゲストハウスは宿泊施設。しかし、旅館やホテルとはひと味ちがいます。
*ポイント*
・宿泊費が安い!(2000円〜4000円ほど)
・基本的には素泊まりで、トイレ、お風呂等は他の宿泊者と共用
・共有のキッチンやフリースペースがあり、旅の情報交換などスタッフや宿泊者同士の会話が生まれやすい
・寝泊まりする部屋は相部屋(個室のあるお宿も有り)
・海外からの旅行者も数多く利用(海外ではゲストハウスが主流)
ちなみにLODGER の施設のイメージはこんなかんじです!
さらにLODGERでは、宿泊なしでもレストランでのモーニング、ランチ、カフェ、ディナーを楽しむことができます。
こちらはスタッフの松本さん(写真:右)と玉井さん(写真:左)
松本さん:ここLODGERのある商店街には、昔ながらの製法で作る駄菓子屋さんの「あいや」さんがあったり、紙屋さんがあったり。近くに松坂城跡もあってすごくいい場所。
食が元気なのも松阪のいいところです!
昔ながらの風情ある街並みと旅人が交差するLODGER。
早速チェックインを済まし、1泊2日の旅を楽しんで参りました。
まずはレストランで晩ご飯!
“カジキマグロとアンチョビのパスタ”を注文しました。
- サラダ -
新鮮なほうれん草、ラディッシュ、水菜、トマト。上にはカリカリのフランスパン!
野菜をじっくり味わえて、付け合わせというよりも、まるで主役のようなサラダです。
- カジキマグロとアンチョビのパスタ -
野菜の味がしっかりしていて甘い!パスタに辿り着く前に思わず手が固まってしまいました。
さらにメインのまぐろを一口食べて「!!」
まぐろ、噛みしめました。
ふっくら柔らかくて、遠い海を渡ってここまで来てくれたまぐろに想いを馳せるほど!
松本さん:お野菜は近所の地元の八百屋さんのもの。新鮮で、すぐに売り切れてしまうんです。パンは三重県度会町にあるBABA bakeryさんのもので、こちらも三重県ですごく人気のパン屋さんですね。
地元の食材が随所に活かされてるんですね…!
さらにこちらはランチにいただいた、LODGER名物の
本格スパイスの効いたお肉
そこにナッツの香ばしさが加わって
福神漬け、ごま、温泉たまごのトッピング
目にも美味しい鮮やかなキーマカレー!
いつ割っても美味しかっただろう
大満足でからだもポカポカです!!!
三重県の食材を使った美味しいお料理をリーズナブルに味わえるLODGER。
宿泊者さんだけでなく、地元の方にも人気なのが納得!
【地元の人と旅行者が出会う場所】
canny:ゲストハウスとレストランを一緒にやるということは、初めから決まっていたんですか?
松本さん:お店を作る時点で、レストランを一緒にすることは決めてましたね。
ゲストハウスだけだと宿泊者さん以外は建物に入りづらいですが、レストランがあることで、地元の人にも入ってもらえる場所になる。そうすると、宿泊者さんと地元の方とで交流もしてもらえる。
canny:なるほど!レストランなら地元の人も入りやすい!
松本さん:宿泊者さんがここのレストランで食事しながら『明日あそこに行きたい』なんて話をしてたら、このお店の広さだと、ほかのお客さんの耳にも自然と会話が入って来るんですね。
そうすると、『そこにはこうやって行ったらいいんやに~』と地元の人と宿泊者さんとのやりとりが始まって。
canny:面白い!松阪には案内人がいっぱいいるんですね(笑)そして皆さん優しい!
松本さん:そうなんです(笑)
たまにここのシャワーを使わず、近くの銭湯に行くお客さんもいて。
シャンプーが置いてなかったりするんですけど、そうすると銭湯の常連さんが『ゲストハウスの子やなぁ、おれ毎日ここ来とるで、それ使ったらまたそこに置いといてくれたらええから~』ってシャンプー貸してくれたりもあるみたいで。
松本さん:松阪は古くから伊勢参りの途中にお侍さんや旅人が立ち寄る宿場町として栄えていて。外からの人を受け入れて、もてなす気質があるみたいです。まさにこの場所も、「美濃屋」という旅宿が建っていた場所なんですよ!
canny:すごい!昔からここはお宿だった!
松本さん:そうなんです、本当にたまたまそうで!!
松阪の歴史なんかは、地元の人の力を借りないと分からないことなので、ここに来てくれた方に松阪のことを知ってもらうには、地元の方なしには成り立たないですね。
そんな地元の方が教えてくれたというお話のひとつが、本居宣長にまつわる「松阪の一夜」。今も歴史に残る「古事記伝」は、松阪での運命的な出会いから生まれたのです。
学問が大好きだった松阪出身の「本居宣長」は、当時の国学の大御所、「賀茂真淵」に会いたい!とずっと願っていました。
そんなある日、「伊勢神宮へのお参りの途中で、賀茂真淵が松阪に来ている」と聞きつけた本居宣長。
賀茂真淵が泊まる旅宿「新上屋」を訪ね、ついに一晩だけ会うことが出来た!
本居宣長は、その一晩の教えをもとに、なんと35年間もの努力を重ね、「古事記伝」を完成させることができたのです!
賀茂真淵が松阪に寄らなかったら、今の古事記伝はなかったということだ…!
松本さん:そういうお話も地元の人から聞いたりして、自分たちの知らないことがいっぱいで!地元の方がいるからこそ松阪のことをお伝えできますね!
【松阪で世界と出会う】
ゲストハウスに宿泊される方の層も様々。
松本さん:ご夫婦、恋人、18.19の学生さんもいれば60代の方まで、幅広いです。
旅してる人はパワーありますね!交流が好きな方も多くて、宿泊者が少ないと残念がる人も(笑)
canny:本当に色んな方が訪れるんですね。
松本さん:1番びっくりしたのはスイスからカップルで来られたお客さん。
スイスナンバーのバイク2台。スイスを出て、ロシアを横断して、カナダに行って、島根に渡って、島根から太平洋側を通って泊まってくれたお二人は、松阪に来た時にはスイスを出て既に7ヶ月。
canny:!!壮大な旅!
松本さん:旅も勿論すごいんですけど、そんなすごい旅を共にするパートナーがいることがすごいな!って!
玉井さん:スタッフ皆でそこがすごい!って盛り上がっていて!
松本さん:一緒に旅してたら、『僕は先に進みたい』『私はここでもう一泊のんびりしたい』とか食い違いも色々出てくると思うんですよ。でも、そのカップルは、その長い旅を2人で楽しんでいて!
出逢うべくして出逢ったパートナーなんだなと。
canny:うらやましい!(笑)松阪でこんなに素敵な世界のエピソードに出会えるとは!
三重にいながらにしてちょっとした海外旅行気分です!
【はじめてのゲストハウスも安心、快適!】
そんな松本さんや玉井さんは、もちろん旅行が大好き!
松本さん:国内外の旅を通して、地元の方と旅行者が出会えるようなゲストハウスが沢山あって。そういう場所を作りたいなぁと憧れていました。
さらには、ゲストハウスに泊まることで、日本の若い人達にも、もっと身近に海外との交流を楽しんでほしい。
そうした想いから、LODGERは「ゲストハウスが初めての人でも泊まりやすい」ことを大事にして作られています。
松本さん:会社の母体が建築業ということもあり、ベッドや洗面台、テーブルも全て大工さんの手で作っています。
canny:すごい!大工さんのオリジナルなんですね!
大工さん手作りの洗面台
とくに私が気に入ったのが、この二段ベッドの棚!とっても使いやすくて感激しました。
パイプタイプの二段ベッドだと、ベッドの隙間から持ち物を落っことしそうになることもしばしばなのですが
LODGERさんのベッド棚はケータイや飲み物を置くのにもぴったり!安心!松本さん:自分たちが旅した経験から、「こうだったらいいな〜」をたくさん形にしました。
【テンションが上がったまま布団にダイブ!】
ベッドメイキングにもひと手間。
ゲストハウスは宿泊費が安いこともあって、ベッドメイキングはセルフで行うお宿も多いのですが
松本さん:観光して、お酒飲んで、いい気分で宿にチェックインして…
ここで自分でシーツ敷かなきゃってなると、ちょっとテンション下がりませんか!?
早いとこ休みたい!ベッドに倒れ込みたい!
だからLODGERでは、シーツはこちらで最初から敷かせてもらってるんです!
松本さん:去年の夏の繁忙期は、お客さんが来てくれてはシーツを敷き、剥がしては敷き…
これが本当に大変だったんですよ。もうシーツはセルフにしてもらおうかと本気で考えました。
でもお客さんから「ベッドが気持ち良かったー!」と声をかけていただくと嬉しくて。
それがあって「うちはシーツは敷かせてもらおう!」と続けてこれましたね。
【あの人もこの人も案内人】
そんな心地よいベッドでぐっすり眠った次の日。
わたしにも、「松阪の一夜」ならぬ、朝一番の愉快な出会いがあった。
少し早起きして、松坂城跡まで散歩しようと地図を広げていると、「どこへ行きたいの?」と犬の散歩中のお父さんが声をかけてくれたのだ。「松阪城やったらいつもの散歩道やから着いてったらええよ~」
お父さんのお言葉に甘えて、朝の散歩コースをご一緒させて頂くことに。
お父さん:ここは殿町で、昔からのお屋敷の長屋が今も残っとる。
canny:今も住んでるんですか?
お父さん:今も住んどるよ。この端っこのお屋敷は見学できるんとちゃうかな、ほら。
(さらに犬の散歩仲間のお母さんに遭遇)
お父さん:おはようございますー
canny:おはようございますー
お母さん:あんたはええな~いつもあったかそうな服着せてもうて!
お父さん:そしたら散歩の連れが待っとるでおっちゃんはこっち行くわ~
canny:ありがとうございます!あの、お写真、記事に載せてもいいですか?
お父さん:え?住所?載せる?
canny:あ、住所じゃないです…写真…!
お父さん:ああ、ええよええよ使ったって~
あっさりと優しい朝
そうしてお二人はいつもの道を歩いていった。
【OTOMONI COFFEE】
沢山歩いてお腹も空いたところで朝ごはん!
LODGERの店内にお店を構えるのが、
コーヒー専門店の「OTOMONI COFFEE(オトモニコーヒー)」さんです。
松本さん: OTOMONI COFFEEさんとは、イベントで顔を合わせるくらいだったんですけど、私、OTOMONI COFFEEさんすごく好きで!
店舗を持ってらっしゃらなくて、「ぜひ一緒にお店を出してほしい」とお願いしたら、
OKをもらいました。
一緒にお店出せたのは奇跡だなぁ!って思ってます。
モーニングに、 OTOMONI COFFEEさんのコーヒーとホットサンドを頂いた。
コーヒーを頂いて「!」
フルーツのような後味!
こんなコーヒーは飲んだことないぞ…!!
朝食後、ゲストハウスのロッカーの鍵の開け方が分からなくなり、 OTOMONI COFFEEさんに助けを求めることになったのですが(笑)
その際思わず感動を伝えてしまいました。
canny:私、これはどこどこの豆だな!とか全然わからないコーヒー初心者なのですが、頂いたコーヒー、後味がフルーツみたいでした!!
OTOMONI COFFEEさん:そうなんです!
「浅煎りコーヒー」っていって、そこが特徴で!!
今日のコーヒーはニカラグアの豆です!
楽しそうな説明に、こちらも嬉しくなる。
コーヒー初心者にもフルーツの風味がわかるように美味しさを引き出されている OTOMONI COFFEEさんは、純粋にすごいなぁと思った。
【街と共に、LODGERのこれから】
地元の方々や OTOMONI COFFEEさん、旅する人たち、色んなつながりと共にあるLODGERさん。
そんなLODGERのこれからは
松本さん:はじめはここにゲストハウスを作ることに対し、不安を抱く声も周囲からありました。
そんな時、応援してくれたのは、ここの商店街の方々でしたね!
その後押しがなかったら、どうなっていたかわからない。
今後は、LODGERを拠点にツアーを作ったり、商店街の他のお店と一緒にイベントをしたり。
地元のお祭りなんかも活かしながら、県外からももっと松阪に来てもらえるような試みを実現できるといいですね!
帰りに、LODGERさんおすすめの和菓子屋「あいや」さんで飴を買った。
昔ながらの製法を守って作られた色と形とやさしい味。
そこに光が差し込めば、きらりと輝く。
それはまるで、松阪の歴史ある街並みに溶け込みながら、その地に新しいひかりを灯し、輝くLODGERさんのようだと思った。
〒515-0083 三重県松阪市中町1857-4
TEL:0598-30-8120
HP:https://roostjapan.com/lodger/
Facebook:https://www.facebook.com/lodger.matsusaka/
レストラン
・モーニング 8:00 ~ 10:00
・カフェ 11:30 ~ 14:00
・ディナー 18:00 ~ 23:00
定休日 月曜日※モーニングは不定休
〒515-0083 松阪市中町1857-4
TEL:070-5674-5844
open 9:00〜18:00close(不定休)
名張市出身。ずっと暮らしてきた町にこんな景色があったとは!!と、赤目四十八滝に魅了され、滝を案内できるよう、現在見習い中です。山、川、夕焼け、旅先でマンホールを見つけることが好きです。路線バス好き女子 得意ジャンル:名張・伊賀エリア、滝、防災、路線バス