伊勢志摩サミットから一年後、伊勢志摩酒SAKEサミットなる日本酒のイベントが開催されると聞き、名古屋から伊勢へ。たまたま伊勢志摩ライナーでちょっとした贅沢気分。
伊勢は雲ひとつない快晴の日本酒日和?こんな天気がいい日は、やっぱり昼から「日本酒」に限ります!?
会場となったのは、伊勢市駅からほど近い「しんみち商店街」入り口付近には、有名な「虎屋ういろ」本店こそありますが、やや元気のない雰囲気の商店街です。
あれっ!お店が…。
こちらのお店も閉まっています。かつてはかなり栄えた商店街の様ですが、本当に伊勢志摩SAKEサミットは開催されているのでしょうか? 少し心配になりつつ、 商店街を進むと…
急にすごい人。おじさんは勿論、ご夫婦で訪れた方や若い人も多い。お伊勢さんとセットで来ている人も多くいるようです。
当日券を買うと、お猪口とチケットを渡されるのは、最近の日本酒イベントのひとつのパターンです。ロゴがピンボケでみません…。
でも、こちらな日本酒イベントは、よくある都市型のホールイベントとは少し違います。まず会場に商店街を使っていることで、何かゆる〜い空気が流れています。隣の見知らぬ人とやたら話しが弾みます。生まれ育った街の商店街にいるような懐かしさです。当然、酒蔵の方々とも距離が近く、ついつい話し込んでしまいました。
日本酒の今を代表する「作」。鈴鹿の清水清三郎商店さんは、萬古焼の酒器でお酒の飲み方を提案していました。流石です!
伊賀の酒と言えば、若戎さんの義左衛門に大田酒造さんの半蔵。伊賀酒de女子会を推進するお二人も大活躍です。
若戎さんの隣では、もう一つの伊賀の酒、福持酒造場さんの天下錦。叔父さんから引き継いだ若き蔵人が新たな酒造りに挑戦しています。クオリティが高いと評判で、これからが楽しみな酒蔵です。
数年前までは、知る人ぞ知る酒だった田光。菰野町の早川酒造さんの人気は今やメジャー級。なかなか手に入らないお酒です。
松阪からは、白米城の中山酒造さん。今年の2月に不幸にも酒蔵の半分が災禍に遭い、現在酒蔵を再建中、クラウドファンディングで共感者が増え、話題になった酒蔵です。日本酒では珍しい熟成酒に特徴があり、10年熟成「あざか」は、先のイギリスのワインコンテスト日本酒部門でシルバーメダルを獲得、世界が認めた三重のお酒になりました。
酒蔵にはそれぞれの歴史とストーリーがあります。今回の伊勢志摩SAKEサミットは、そのストーリーに接するとともに、開催した商店街をも元気にする可能性を感じることができた。
三重はもともと日本酒の消費量がとても少なく、存続が厳しい酒蔵や酒屋もあると聞きく。今回このイベントを企画したのは、志摩市の漁師町和具にある小さな酒屋「べんのや」さんです。サミットのずっと前から三重の地酒のクオリティに気付き、こだわり続けてきました。それだけに、三重の地酒に対する熱い思いは、他の日本酒イベントとは少し違うように感じました。初開催にも関わらず、多くの酒蔵が共感・賛同し、多くの人が訪れたのも、この空間を共有したかったからだと思います。
地方の活性化は、これからの日本の課題であり難題。そんな中、大企業ではなく、街の小さな酒屋さんが「お酒の力」で地方の活性化を行っている事実がそこにはありました。三重には、酒蔵が30以上あり、一般開放している蔵もあります。是非一度近くの酒蔵を訪れてみてはいかがでしょうか。
OTONAMIE公式記者。趣味は釣りとサーフィン。まだ見ぬ三重の魅力を求め、名古屋から三重県南部エリアへ足繁く通っている。得意ジャンルは三重の日本酒、グルメ、釣り、サーフィン、キャンプ。