私は37歳、男性。
20代から見れば “おっさん” だし、
50代から見れば “青年” かも知れない。
一般的には “中年” ということになるのだろうか。
20歳からがオトナだとしたら、オトナ歴17年。
社会人学生や習い事をしていない限り、オトナになって誰か何かを教えてもらう機会は少ない。
自ら学ぶのがオトナ。時に失敗し、痛い経験を重ねながら。
最近、取材などで色んな人と話をする。
何かのスペシャリストばかりではなく、そこに暮らす人、日々の営みの中で当たり前のように存在している人。
実は、そんな普通の人のお話がとても面白かったりする。
生きていれば、人とは違う何かを経験する。
一生忘れられない感動の話だったり、その人が生きていて学んだ教訓であったり、学生時代の話であったり、大切な人に関する話だったり・・・。そういう話から、私自身が学ぶことがとても多いと最近感じる。
そんなことを感じていた矢先、知り合いから舞台芸術の案内が届いた。
実は舞台芸術や演劇をあまり観たことがない・・・。
しかし演目内容を見たとき、最近私が感じていた “普通の人のお話が面白い” という共通項がそこにあった。
−−−NEW TEACHER 〜振り返れば、街角に教授たち〜
フライヤーには “街には教授が溢れていた!! by さんぴん” とある。
さんぴん
東京の舞台業界を中心に活躍する4人の俳優、ダンサー。
日本各地を巡りその地に滞在して、現地で取材した大切な誰かの人生のエピソードを集めて、一つのストーリーとして繋ぎまた紡ぎ、その場所でしか生まれえない特別な舞台を立ち上げる、舞台芸術集団。
中部電力のCM(はじめる部)にも出演されている方だ。
https://youtu.be/5EmYhFv4LSo
さらに気になったのは、舞台が三重大学の校舎(190番教室)だとあった。フツーの教室で、舞台芸術。面白そうだ。
今回、さんぴんは2週間程三重に滞在し、三重の色んな方々に取材を行って一つの舞台を創り上げたという。三重から発信する、三重のストーリー。しかもたった一回だけ公演するという、とても贅沢な舞台。
−−−展開がすごい!
今回は厚かましくも取材ということで、ご招待いただいた。
公演が始まったのだが・・・。
あれ、フツーの授業!?
授業のテーマは「極道」。えぇ・・・?
と思ったら、急に始まるHipHopShow!
次なる展開は、とある人の学生時代の憎き教師のお話。
次は人が良すぎて断れないけど、それでも楽しみを感じている人のお話し。
「へー、おもしろいなー!」と舞台を見ていたら、突如近くに座っていた学生が演劇に参加。客席にも演者が仕込まれているとは・・・。油断してたらビックリ。
そして学生は踊りまくっていた。
続いて、ケニアの学生のお話。
かと思ったら、三重大学の清掃のおばちゃんのお話。
次は太平洋戦争の大空襲のお話。大空襲の恐怖感が静かに伝わる。
と、次から次へと、20〜30くらい(多分)、三重の誰かのお話しをさんぴんのプロの演者と、三重大学の学生の演者が、ストーリーとして演じた。ただストーリーを話すのではなく、過去と今の自分が一緒の場面で会話していたり、シュールな笑いがあったり、涙があったり・・・。あっという間に2時間の公演が終わった。
印象深かったのは、ドイツからきた無口な女性の話。徐々に三重の男と仲良くなるのだが、最後は脳腫瘍で天国に旅立つ。残された男の心情。
−−−話そう、もっと。きっと楽しいから。
私自身、おしゃべりなタイプではないし、人と話すのが得意というわけでもない。人並みに警戒心もあるし、初対面の人と話すときは緊張する。
でもライターとして取材をしていると「そこ、もっと深掘りして聞かなくてはダメだな。」と思う瞬間が多く、そうこうお話しているうちに「え!それって面白い!」みたいなことが見つかる場合が多い。
ライターをするまで当時の職種柄、黙々と部屋にこもって仕事をしていた過去の自分。
今の自分と過去の自分。今は人とお話することの楽しみを知った。
厚かましいが、これが私のストーリーなのかも知れない。
※OTONAMIEではライターを募集しています。
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おまけのお話し
今回の公演は、文化庁「大学を活用した文化芸術推進事業」舞台芸術振興のためのアートマネージメント人材育成講座・実践編 第2弾、でした。
ご丁寧にわざわざ、こんな私にもご挨拶いただいた、今回の事業の仕掛け人である三重大学人文学部准教授の田中先生。ありがとうございました。
公演後のフリートーク、さんぴんにイジられてしまっていた、チャーミングな先生。
こんなオモシロイ取り組みを、私が暮らす津市の三重大学で行っていたなんて知りませんでした。
今回は、一般の方の参加や鑑賞も可能でした。
「こんなにオモシロイことだったら、もっと告知してくれたらいいのに!」って思った瞬間、「OTONAMIEがこういうオモシロイ情報をもっと告知すればいいのか!」って気がつきました(笑)。
さんぴん
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村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事