今回は伊賀市阿保にある若戎酒造さんを訪ねました。
近鉄「青山町」駅を降りて徒歩5分ほど。公共交通機関で行ける酒蔵です。
ロータリーを過ぎて少し歩くと木津川が見えてきます。
橋を渡ると「初瀬街道 阿保宿」の案内が…
阿保宿は、大和と伊勢を結ぶ初瀬街道と、上野街道や八知街道が分岐する交通上の要地でした。お伊勢参りの宿場町、商業地として江戸時代から栄え、旅館や茶店、商家が多く軒を連ねていたそう。現在もその名残りを感じさせる情緒ある街並みが残ります。
そんな初瀬街道沿いで1853年から創業している若戎酒造。歩いているとすぐに大きな蔵、直売店「蔵元SHOP」が見えてきます。
出迎えてくれたのは7代目女将・重藤邦子さん。同蔵元の長女として生まれ、2児の母であり、妻であり、そして今年の春から社長として手腕を振るうパワフルな女性です。サービス精神旺盛で明るくて、さりげない気遣いがサラっとできる素敵な人(撮影用のポージングも自らすすんで、いろいろしてくださいました 笑)
同蔵元のお酒は仕込み水に青山高原の伏流水を使い、米は伊賀産を中心に使用。最近ではめっきり珍しくなった自社精米をしているという点も特徴のひとつです。
代表銘柄は社名にもなっている「若戎」。そして創業者の名前からつけた「義左衛門」など。
酵母による酒質の違いを全面に出した酵母伝シリーズも人気です。
安定感のある味わいと、洗練されたデザイン性で日本酒ビギナーを魅了し、そして蔵付きの乳酸菌を自然に取り込んだ「真秀(まほ)」シリーズや、酵母伝、季節限定酒など、幅広いラインナップで、日本酒の懐の深さをしっかりと教えてくれる同蔵のお酒。
「蔵元SHOP」内にはそんな同蔵のラインナップがずらりと並びます。直売店限定販売の季節限定酒、数量限定酒もあるので、来店の際にはぜひチェックを!
お酒器やお酒を包む風呂敷などの小物も充実していて、贈り物にも良さそう!
そしてこちらが直売店の裏手にある「若戎吟醸館」。
白壁が美しいですね。
蔵見学対応の資料館や事務所が入った建物です。「酒蔵deヨガ」なんて楽しいイベントも開催しています。「蔵に足を運んでもらうことで、日本酒に興味をもってもらうきっかけになったらいいなとおもってはじめました。せっかく酒蔵で開催するので、3回通ってくださった方には若戎のお酒をプレゼントします!最終的にはヨガの参加者さんたちで女子会ができたら…」と邦子さん。
歴史を持ちながらも、新たな挑戦を忘れない若戎酒造。街道の景色を楽しみながら、ゆるりと訪ねて欲しい蔵です。
若戎酒造
住所:伊賀市阿保1317
TEL:0595-52-1153
URL:http://www.wakaebis.co.jp/
kanzaki chiharu。OTONAMIE公式記者。伊賀市在住のフリーライター。出身地、広島のタウン誌→東京の編集プロダクション→フリーランスとして独立して早20年。現在は伊賀に拠点を持ち、伊賀の情報誌の執筆をはじめ、企業広告コピー、イベント企画提案などを手掛ける。日本酒好きが高じて、「伊賀酒DE女子会」の企画運営をはじめ、日本酒関連の執筆、コーディネート、イベント運営も行う酔っぱライター。得意ジャンルは日本酒、伊賀情報。2016年「日本酒女子普及委員会」会長に就任。https://ameblo.jp/iganonihonsyudaisuki/