毎年2月11日(建国記念日)には「ごんぼ祭り」という奇祭があるのはご存知ですか?
実は、美杉町を舞台に撮影された映画『WOODJOB 神去なぁなぁ日常』の矢口監督にインスピレーションを与えたお祭りでもあるんです。
『ごんぼ祭り』は美杉町下之川地区で約500年もの間、五穀豊穣・子孫繁栄を願い、伝えられている由緒正しきお祭りです。
この地域には古くから各家庭や地区で味噌ごぼうを作り、鰡(ボラ)と共に神前に供えるのが習わしです。
そんな祭りがなぜ奇祭と呼ばれるのか?
理由を探るため下之川地区自治会長に問い合わせる、すると「2月1日から味噌ごんぼ作ってるから、集会所へ来なさい」との事、早速集会所へ向かう。
(やはり、この地区における「ごんぼ」の存在感は絶大のようだ。)
中に入るけれど、誰もいない?
いや、厨房から音がするので覗いてみると・・・
大量のごぼうと朴の葉。
OTONAMIEの取材で来たことを伝えると、河村さんが、丁寧に対応してくれました。
お話によると、10日間をかけて、3000パック、約900キロものごんぼを調理する。そのうちの大半が注文を受けているもので、祭り前日と当日には約1000パックを販売するが、毎年すぐに売り切れるんだそうです。
(そんな話を他所めに、部屋の隅には気になるモノが・・・)
男性と女性のシンボル⁉️
とっさに「あれを祭りで担ぐのですか?」と聞くと、
「違う」と答えてくれた。
さらに「担ぐモノは神前に祀ってある」というので。
「同じくらいのモノなんですか?」と聞くと
「もっとおっきい」と・・・
なんだか、奇祭と呼ばれる所以は担ぐモノにあったようです。
河村さんのお話を伺っているうちに、他の方も作業を終えたようで、みんなでテーブルを囲い、それぞれに祭りの話をしてくれた。
「アレって、毎年作るんですか?」と聞くと
「男性のアレは作らないけど、女性のアレは2年に一回作り直すんだよ」と
さらに「女性のアレは、ワラを編んで作るんやけど、そりゃあ難しくて、編めるのは1人か2人しかおらん」と教えてくれた。
「ちなみに、祭りではどちらが人気があります?」と聞いてみた。
「そりゃ、男性のをみんな触るわな。でも最近の若い子は恥ずかしがってあまり触らんな」(笑)
ちなみに、ご神木に触ることができるのは、祭りの最中だけだそうです。
※三重県指定無形文化財ですよ!
なんでも、祭りのクライマックスでは『合体』をするそうなんですが、
担ぎ手によって、上手い下手が分かれるようで、今年はどんな展開になるのかと皆 気になる様子でした。
幾つかのやり取りの中で「今年は特に、若い人たちにも見に来ていただきたい」との声が多く聞かれた。やはり受け継いできた伝統を後世に託したいとの気持ちの表れだと思い胸が熱くなった。
最後に「少し変わったお祭りに思えますが、小さい頃とか抵抗は無かったですか?」と聞いてみた。
すると
「昔からの習わしやから、自然と受け入れるわな」
と皆が優しく答えてくれた。
今回の取材でも、伝統を守り続ける地域住民の心に触れることができて嬉しかった。『ごんぼ祭り』は伝統と命を繋げるた為にあるのかもしれない。
今後もこの伝統が、何百年も続いて欲しいと願うばかりですが、まずは2月11日の祭り当日が楽しみでなりません。
ごんぼ祭り
日時:2月11日(木)10時〜
場所:仲山神社(三重県津市美杉町下之川5293)
お問い合わせ:059-276-0337 (仲山神社 社務所)
『津市 観光協会公式サイト』
『神去村がヤバイ(美杉町)』
『神去村青年団Facebookページ』
jun。OTONAMIE投稿者。津市出身。クルマの鈑金屋さん。20代の時には鈑金技術を活かし、大手出版社のデモカーの製作や連載企画を担当。30代になってクラシックカーに魅了される。座右の銘は「温故知新」
身の回りのチョット気になる情報をお伝えしたいと思います。