ホーム 00DayTrip ジブリ最新作も公開された夏、MieMuで「高畑勲展」を見てきました。

ジブリ最新作も公開された夏、MieMuで「高畑勲展」を見てきました。

三重県総合博物館MieMuで、企画展・特別展「高畑勲展」が開かれています。
7月7日、開催に先立ち内覧会にご招待いただきました。ありがとうございます。

スタジオジブリの設立メンバーのひとりであり、アニメーション映画監督として数々の名作を世に送り出した高畑勲監督。『火垂るの墓』『平成狸合戦ぽんぽこ』『かぐや姫の物語』などの作品を見た思い出がある人も多いでしょう。私自身、高畑監督の『おもひでぽろぽろ』は、ジブリ映画の中で特に好きなもののひとつです(分数の割り算のシーンが好き)。

高畑監督は、現在の伊勢市で生まれ、幼少期を津市で過ごしました。「高畑勲展」は、2018年に亡くなる以前から企画が進められていたもの。この度、生まれ故郷である三重県での開催が実現しました。
7日のオープニングセレモニーには58名が参加。監督の息子・高畑耕介さんのご挨拶では、リアリズムとともに語られる視聴者の能動的な思考を促す作風に触れつつ、改めて作品を見直すきっかけになればとの思いが語られました。

「高畑勲展」は、高畑監督の足跡を辿りながら、それぞれの作品の裏側にある制作エピソードを、当時の資料から知ることができる内容です。未公開資料を含め、1,300点以上もの資料が展示されています。
展示室に足を踏み入れると、はじめに高畑監督とその作品の歴史を整理した年表が。広い壁一面にびっしりと記された出来事を振り返ると、監督がいかに多くの功績を日本のアニメ界に残されたかを強く実感しました。

展示は、年代順、作品別にまとめられており、見やすく理解しやすい構成になっています。『太陽の王子 ホルスの大冒険』『パンダコパンダ』『アルプスの少女ハイジ』『赤毛のアン』――。高畑監督が関わった映画、テレビアニメの代表作が多数取り上げられています。「あ、これもそうなんだ!?」と初めて知るものもあるのでは。

各作品の映像、絵コンテ、レイアウト、背景画で賑やかに彩られた展示室。特に注目すべきは、高畑監督の生の声が書き残されたメモやノートだと思います。それも一点、二点ではなく、脚本準備ノートなどの貴重な資料が、たくさん展示されています。ひとつの作品ができるまでの道のりで、どれほど緻密な準備がなされ、制作に関わった人たちがどれほどの考えを巡らせたのか。その一端を目の当たりにできます。

さらに、俳優の中川大志さんがナビゲートする音声ガイドでは、大塚康生さん、小田部羊一さんら、高畑監督とアニメを手がけたレジェンドたちのインタビューを交えた解説を聞けます。現場を経験した人たちが語るリアルなエピソードに、展示を眺めながら驚きの声が漏れそうに(笑)記憶に焼き付くシーンがどのようにつくられたかを知って、また見たくなりました。

直筆のメモやノートを読み、音声ガイドを聞いて、絵コンテから作品を思い出し…。気がつくとあっという間に時間が過ぎていました。とても濃密な内容ですので、時間に余裕を持って足を運ばれるのがオススメです。ネタバレする訳にはいかず多くは語りませんが、高畑監督ファン、ジブリファンには必見のものばかり。高畑監督の歩み、作品のテーマや制作手法の変遷を通して、今のアニメや自分の周りの社会を見つめ直す機会にもなるように感じます。

余談ですが、私は学生時代、高畑監督のトークイベントの企画に携わり、イベント後に直接お話しさせていただいたことがありました。あれこれと質問もする中で、何個目かの問いの後、監督から「自分でも考えてみなさいよ」と一言いただいたのをはっきり覚えています。
それから約20年、高畑監督の作品を繰り返し見ては、立場や境遇が変わるたびに、違う気づきをもらってきました。自分なりに考えて見るほど面白い。他の人と感想を共有すると新しい発見がある。それが高畑監督の作品の大きな魅力だと思い、今も昔も人として大切なことを教わっています。

「高畑勲展」は、MieMuにて9月18日まで開催中。企画展示室以外に、館内にキャラクターたちのパネルが設置されたり、グッズの販売もされたりしています。ご家族で、ご友人でじっくりと楽しんだ後、気になった作品を一緒に見るのもいいと思いますよ。

三重県総合博物館MieMu 第34回企画展・特別展
「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」

開催期間 9月18日(月・祝)まで
開催時間 9時〜17時 ※最終日は16時30分まで
会場 三重県総合博物館3階 企画展示室
観覧料 一般 1,600円
学生 1,000円
小中高生 500円
未就学児 無料
※ 前売および20名以上の団体は200円引き
※ 詳細は、三重県総合博物館のWebサイト

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