先日、家内の遠方の親戚から「テレビで蚊遣り豚を見て、欲しいんだけど四日市ってあなた達の家の近くだよね。売ってる?」と問い合わせがありました。お恥ずかしながら、津市に暮らす私は蚊遣り豚が四日市の名産とは知りませんでした。しかし、以前からあのなんとも言えないユニークで日本の夏に馴染んでいる存在が気になっていました。
そこでアートな蚊遣り豚展を主催されているKAYARIBUTA制作実行委員会の森 千秋さん(グラフィックデザイナー・50’S NETWORKS代表)にお話しをお伺いしました。
村山「四日市の蚊遣り豚がなぜ有名なのか教えてください。」
森さん「元々は全国各地で蚊遣り豚は生産されていたみたいですが、クーラーなどが普及してきて全国的に生産量が落ちていました。しかし四日市の萬古焼で大量生産できる拠点があったから生き残ったと聞いています。以前、日本最古の蚊遣り豚を新宿歴史博物館で見ました。江戸時代の武家屋敷から出土したものだそうです。全長は35cm近くあって、今の蚊遣り豚と比べかなり大きいです。江戸時代には蚊取り線香はありませんでした。なので、葉っぱなどをいぶして使用していたのではないかと聞きました。」
村山「なぜ豚のカタチをしているのですか。」
森さん「50’S NETWORKSのパンフレットにも掲載していますが、野の野生種であるイノシシは江戸時代「火伏せの紙」として崇められていました。そこで、火をつかう蚊取り線香が火の災害をもたらさないよう、火伏せの神のイノシシに似た豚のカタチを採用したと言われています。他にも、この丸いカタチの壷に手足をつけると豚になるという発想から、愛嬌のある豚になったともいわれています。」
村山「森さんが行っている今年で14回目を迎える“アートな蚊遣豚り展”とはどんな内容ですか。」
森さん「始めは、知り合いの萬古焼の職人と面白半分で始めた企画ですが、知り合いのイラストレーターなどもやりたいと言うことで、徐々に口コミで広がっていきました。回を重ねるごとに、梅田・名古屋・池袋などでも開催するようになりメディアにも取り上げられて広がっていきました。今年は7月に三重テラスでも開催しました。」
村山「今後の企画展の予定はありますか。」
森さん「今年の8月8日(土)〜30日(日)に四日市市のじばさん三重で行います。」
ちなみに “日本の夏 金鳥の夏” でお馴染み金鳥がサポーターとして協力いただいているとのことです。
冒頭写真の蚊遣り豚は金鳥のノベルティとして、森さんがデザインされた物です。
日本の夏の風物詩とも言える蚊遣り豚。この夏、個性豊かな蚊遣り豚を見に行こう!
日時:2015年8月8日(土)〜30日(日) 10時〜19時 8日は13時〜・最終日は16時まで
会場:四日市市じばさん三重1F(三重県四日市市安島1丁目3-18)
お問い合わせ:じばさん三重 電話 059-353-8100
帰りにじばさん三重に立ち寄ったら、驚きの巨大蚊遣り豚がいました。デカい!
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事