ここ近年、スマートフォンの普及により、手軽に写真撮影が出来るようになった。私も所持歴が10年以上となったが、美味しかった食べ物や美しい風景を日常生活の一コマとして残すことは当たり前になった。
みなさんも以前なら「眼に焼き付けておきたい」という風景があったら「お父さん!カメラカメラ!」って慌てることが無くなったと思う。
そんな私が憧れる風景はWater Mirror
日本語に直すと「水鏡」だが、池や海などの水面に地上の風景が鑑のように映ることの意味する。千円紙幣の裏面にある「湖に映る富士山」(通称:逆さ富士)を想像してもらえるとわかりやすい。
今日はそんなWater Mirrorに出会いに四日市旧港に出掛けた。
四日市旧港について
(午後の四日市旧港)
この四日市旧港と呼ばれるエリアは、1884年(明治17年)に近代港湾として、回船問屋を営んでいた稲葉三右衛門(1837~1914)が中心となり建設。その後の四日市港と四日市市発展の礎となった場所である。
(沖の石垣には穴があいているのがわかる)
旧港は、北から東にかけて穴の開いた石垣に囲まれている。現在は石油コンビナートが建っているが、完成当時の石垣の外側は、伊勢湾であった。
この石垣は、外から来る大波に対して石垣で一旦受け止め、内側の穴からは勢いが弱まった海水を逃がす役割があり、港内の水面を穏やかにする効果がある。
そんな堤防の光景から人々は「潮吹き堤防」と呼ぶようになり、現在の名称になっている。
(港内の稲葉翁記念公園にある潮吹き堤防のレプリカ)
現在は、レプリカ模型によって、往時の様子を見ることできる。
あっ!レプリカの水面にWater Mirrorが発生中(笑)
(港内には石垣で作られた部分が多い)
ところで「潮吹き堤防」をはじめ、港内には石垣になっている部分を多くみかける。
実はこの石垣・・・桑名城の石垣を流用して造られたものである。
そういえば九華公園(桑名城跡)内にはかつて天守閣や様々な櫓があったはずだが、建物はおろか石垣もあまり残っていなかったような・・・どこにいったのかな?ここで使われているのかな?
歴史学者の間で、桑名城の破却と石垣の転用について功罪の意見が分かれるようだが、「潮吹き堤防」は国の重要文化財に指定され現在もその姿を残している。
Water Mirrorが現れるのを待つ
(弱い風でも湾内には波が立ってしまう)
本題に戻りWater Mirrorの発生条件は、第一に「風」だ。潮吹き堤防によって外波の影響は受けにくいが港内だが、冬場は鈴鹿颪(おろし)によって風による波の発生が見られる。
この日はあいにく人肌には感じない風だったが、様々な方向から微弱な大気の流れが水面に映るのが写真でもよくわかると思う。
(風も波も穏やかでいい感じに)
二つの条件は時間帯だ。この日はMagic hourと呼ばれる日没直後を狙った。だんだん水面には青空の色以外に夕陽の色も映り始めた。
(煙突の煙が東へなびく)
でもMagic hourは一瞬
微風は止まず、条件が整わないようだ。
残念ながら今日は退散
きれいな空の写真は撮れたし、まあそれはそれで満足した。
帰路に考えてみたが、四日市港は東に向かって海が開けている。西は市街地が広がっていて夕焼けは期待できない。
つまり朝なんじゃないの?
明日、晴れたら早起きしていってみよう
でもWater Mirrorはレアポケモン並みに見つけるのは難しいからと・・・床についた。
みなさんも県内におススメのWater Mirrorスポットがあったら教えてください。
四日市旧港
住所:三重県四日市市高砂町7(稲葉翁記念公園)
四日市出身。小さい頃から地図を見るのが大好き。物流会社に就職後、愛知・上海・東京・静岡他へ引越9回を経て現在は四日市在住でほぼ毎日愛知へ通う。特技は中国語と道案内。得意ジャンル:鉄道、旅行、中国語、航空機、ラーメン