ホーム 01【食べに行く】 最先端エンジニアから農業へ転身。笑顔が素敵な農家さん。

最先端エンジニアから農業へ転身。笑顔が素敵な農家さん。

みなさんこんにちは。
最近激太りに悩む私を横目に
「俺、炭水化物抜いとるんさー!」みたいなことを涼しい顔で口にする友達に日々苛立ちを覚える今日この頃。

皆さんおいしいお米食べてますか?

稲作を中心に独自の文化を育んできた私たち日本人にとって「米を抜く」ってのは心身ともに辛いですよね。
そんな日本人とは切っても切れない米作りを伝統と最先端を融合させた農法で取り組み、今注目を集めている農家さんをご紹介したいと思います。

 


津市の北西部に位置する大里睦合町。
津駅からも車で10分圏内でありながら、長閑な田園が広がっています。

この集落で新たな農業を試みているのが、「つじ農園」園長の辻武史さんです。


実に優しいそうな笑顔です。メガネが可愛いー…

辻さんが農業を始めたのは、今から2年前。
津市の高校を卒業後、愛知県の大学に進学。卒業後は航空機のエンジン部品のエンジニアとして世界中を飛び回ていたそうです。英語も堪能で、失礼ながらも見た目のキャラクターからは想像できません。

ーなぜ、最先端技術の世界から農業へ?
辻さん:もともと、モノづくりが好きで何かを作って人を驚かせたり、人に喜んでもらうのが好きだったんです。
そして何より幼い頃から「食べること」が大好きで(笑)。

モノづくり+食べること=農家しかないっしょ!!実家がもともと農家だったので、田んぼはあるし。とりあえずやってみよー!って感じではじめました。

ー実際の農家に転身してみてどうでしたか?
辻さん:まずは、自分が作るお米をどうやって人に知ってもらおうか?美味しい米って伝えるにも、まずは知ってもらってナンボやから。そればっかり考えてました。
ある日ネットサーフィンをしていたら、「千年村プロジェクト」という活動を知りました。詳しく調べてみると僕の住む集落には千年以上の歴史があることを知ったんですよね。
速攻でプロジェクトを行なっている早稲田大学の研究チームで電話しましたよ。そしたら、快く話を聞いてくれてこの集落のことを一緒に調べてくれたんですよ。

「千年以上続く村のお米」ってだけで旨そうじゃないですか?

 

千年以上の歴史をもつ農村

「千年村」とは、その名の通り1000年以上に渡り、災害や社会環境などの変化にも対応しながら、維持・発展してきた地域を指します。「千年村プロジェクト」は長期存続してきた集落の特性を改めて再認識し研究し、その情報を様々な地域同士が共有し、地域づくりに役立てていくプロジェクト。

「つじ農園」のある集落一帯は古くは山田井郷と呼ばれ、その研究結果から日本で2番目に「千年村認証」を受けられました。

私たちが当たり前に見ている田舎の集落には、長い歴史があり優れた地域経営によって存続されているんですね。

存続の危機にある地域を救うための一助となればとこのプロジェクトに「つじ農園」も参加しています。

長年培われた水田で一体どのような農業が行われているのでしょうか?

 

空を飛ぶ農機具

辻さんが米づくりに取り入れているのでが、コレ!
みなさんご存知のドローンです。

コイツが田んぼの上空を飛び回るそうです。

農機具倉庫の片隅にドローンとパソコン。

ードローンで何するんですか?まさか農薬大量散布?

辻さん:いやいや、違いますよ!
上空から写真を撮って、圃場管理をするんです。

近赤外光カメラで上空から田んぼを定期的に撮影し、稲の生育状況を分析するんです。
(他にも色々と詳しく説明いただいましたが、理系用語が乱列し理解不能でしたので省略…)
このデータを数値化することで、より安定的で効率的な作物を作ることができのではないかと考えています。
また、集落全体の土壌を分析することで、そのエリアに合わせた栽培方法を用いることもできます。
Iot技術は日々すごいスピードで進化しています。僕たちが暮らす集落には限られた資源しかありません。限られた資源の中で効率的に且つ高品質な作物を作るためにIot技術は必要なものになっていると思います。


農家に限らず、一次産業は担い手不足に嘆いています。
Iotをはじめ、今まで農業とは縁のなかった分野とも連携して時代に合わせた農家のあり方を生み出せれば、これからの若い人たちにも関心を持ってもらえるんじゃないかと思ってます。

旨い米をたらふく食べてもらいたい。

「とにかく安心安全で、旨いお米をみんなに食べてもらいたい」
そう語る辻さん。

お腹いっぱい食べてもらいたいと言う思いを込めて「たらふく米」と名付けられた辻さんのお米。収穫時期にはみんなに新米を振舞うイベントを開催したり、とにかく農業を楽しんじゃってます。

自身が育てたお米をたくさんの人に食べてもらうため、様々なイベントも開催しています。
また、お米のもつ栄養はもちろん、お米ならではのモチっとした食感や風味と言った魅力も楽しんでもらいたいとの思いから、お菓子やさんやパン屋さんとコラボした商品開発も積極的に行っている辻さん。
近日発売予定のお米を使ったスイーツもあるそうです。

 

お米を使ったロールケーキ。

「たらふく米」の米粉を使ったロールケーキが近日発売されます。
津市の刀根菓子館さんと試作を重ね完成させたロールケーキ。卵は美杉エッグファームの「森林卵」を使い、米の風味を活かしながらも極限のフワフワ感を追求した自信作とのこと。
つじ農園・刀根菓子館・美杉エッグファームの作り手3人の思いが重なったロールケーキその名も「三重ロール」。

6月22日(金)から、津市本町の刀根菓子館で販売されます。
また当日は無料試食会も開催されるそうなので、この機会にたらふく米を堪能してみてはいかがでしょうか?
(無料試食会は先着50名様までとのことですのでご注意ください)

 

自分も楽しみながら周りも楽しめる農業を目指すつじ農園の辻さん。優しい笑顔のその奥には地域・集落が抱える課題をしっかりと理解し、農業のこれからを創造しようと試みるエネルギーを感じました。
辻さんたちの取り組みが、この千年村をこの先も発展させてゆくのだと思います。

 

おまけ


つじ農園
三重県津市大里睦合町1211
TEL:059-202-2205
http://www.tarafuku.org/

千年村プロジェクト
http://mille-vill.org/

刀根菓子館
TEL: 059-226-4343
http://www.tonekashikan.co.jp/


 

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