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女性神主の、その志に魅せられて

1月のある日のこと、私達nanowaスタッフは名張の氏神として 昔から人々に尊ばれ、元伊勢のひとつとして記される「宇流冨志禰神社」を訪れていた。

社の宮司見習いである中森千佳さんへインタビューを行うためだった。

女性神主の、その志に魅せられて

キッカケは昨年11月、5歳の息子を連れて宇流冨志禰神社へ七五三参りに行った時のこと…

そもそも何故、朝から袴を着せられ、今ここに連れてこられたのかもよく理解していない5歳になったばかりの我が息子。

当日は、多くの親子で境内も賑わっており、普段ならば広く感じる神殿も、十組近くの親子が揃うと場を詰めて座らなければいけないほど。

好奇心旺盛な息子もこの日ばかりは緊張しているようで、拝殿に入り前列に座るようにと言っても私のそばから離れない。

どうにかして他の子ども達と同じように前列に座らせることに成功したものの、背筋を丸め不機嫌顔。

「息子はちゃんと出来るのか。」

ハラハラしながら定時を迎えると静々と神主さんがあらわれ、参拝者親子と向かいあい祈祷がはじまった。

子どもの成長を神さまに感謝し、これからの更なる成長を願っての祈祷も、子どもにとっては長く感じる時間。

じっとしていることが難しい年頃の子供にとって「厳かな神殿で神様にお祈りする」というのは退屈でしかない。

少し薄暗い神殿。

着慣れない一張羅。

不自由なうえ「ちゃんと座って。」と求められると、なにぶんおもしろくないものだ。

だから、ぐにゃぐにゃしてみる。

そんな子供たちを察して神主さんが、よどみなく一人一人の子供の名前をそらんじていき、退屈そうな子には一言づつ声をかけた。

受付から祈祷までのわずかな時間の間に、記帳された全員の子の名を記憶していたのだ。

神職からまっすぐ顔を見て名前を呼ばれ話しかけられると、さっきまで退屈そうに背中を曲げて上の空だった我が子が不意をつかれて我に返った。
自分のことを見抜いているような呼びかけが意外であったのだろう。

子供たちの背筋が伸びる光景を目の当たりにした。

『こんな神主さん、初めて見た。・・・いったいどんな人なんだろう。』

一瞬で子供の心を引きつけた女性神職。

同時に、親の心もつかんでいた。

【宮司見習いである中森千佳さんのインタビュー記事はコチラ→】

(ぜひインタビュー記事もご覧になってください!!)

千佳さん考案の縁を結ぶかわいいお守り

“神社がより多くの方から親しんでもらえるように”

そんな想いをこめて、千佳さん自らがデザインして作った御守り。
くるりと円(縁)を結び 丸みあるフォルムで可愛らしいガラス細工。
柄と紐の組み合わせが幾通りもあり、選べる楽しさもあって好評の御守りだとか。


他にも、干支みくじなど“ゆるかわアイテム”が並んでいた。

神社に所蔵されている宝物の数々

インタビューで伺った日は、社務所に所蔵されてある宝物見学もさせてもらった。
宇流冨志禰神社には藤堂邸から譲りうけた四十五面もの能面がずらりと展示されている。

主に室町時代~江戸時代に作られたもので、なかには県文化財に指定されている大変貴重な能面も展示されており、
面の髭・眉・頭髪が、綿または馬の毛によって植毛されている技巧が間近で見ることができる。

面から読み取れる習俗や美意識、ひょうきんな表情、おっかない形相・・・。
女面だけをとっても、若くて美しい女性を表現したものから、庶民的な顔立ち、果ては嫉妬と怨念に狂った女を表す「般若」の面まで。
名張所縁の猿楽能の大成者、観阿弥・世阿弥親子の歴史と合わせて造詣を深めるのも一興。
見学は無料ですが、能面見学はあらかじめ予約が必要です。
事前に電話連絡を入れてください。

宇流冨志禰神社ホームページはコチラ

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