ホーム 01【食べに行く】 「都市部の大学生たちは、三重の田舎に何を見たのか?」マル秘調査!?にOTONAMIE記者が同行してみた。

「都市部の大学生たちは、三重の田舎に何を見たのか?」マル秘調査!?にOTONAMIE記者が同行してみた。

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魅惑のトンカツ

ブー。

ブーブー。

ブーブーカレーだ、ブー。

ブーブーブーブーブーブー・・・。

ブぅ!?

ところで皆さん「豚肉」といえば!?
沖縄のアグー豚、鹿児島の黒豚などブランド豚が有名ですね。
三重にも知る人ぞ知るブランド豚「玉城豚(たまきぶた)」があるんです。

ここのところ「豚肉が食べたーい!」と、豚肉欲が増大中の筆者。
玉城豚をはじめ玉城町の産品を買ったり食べたりできる、ふるさと味工房アグリに伺いました。

玉城豚のトンカツ。
「うんまーい!」
肉厚でやわかく、肉のうま味とサラッとした脂がお口のなかで溶けていきます。
ワタクシゴトで恐縮ですが、トンカツが世の中で一番おいしい食べ物だと思っています。

で、これだけ豚肉のお話を書いたわけですが・・、
実は今回の取材対象は「豚肉」ではありません。

 

都市部の大学に通う学生は、地方をどう感じるのか!?

いきなりトーンがガラっと変わりますが、今回の取材テーマは「それ!」なんです。

ということで、愛知大学(名古屋キャンパス・豊橋キャンパス)に通う4名の学生さんが今回の主人公。
写真は左から、
・寺戸君(現代中国学部4年・北名古屋市在住)
・佐波君(地域政策学部3年・豊橋市在住・玉城町出身)
・舟橋さん(現代中国学部3年・菰野町在住)
・川瀬さん(現代中国学部4年・瀬戸市在住)

彼らが玉城町、南伊勢町、度会町というサニーロード(三重県道169号)沿線の町を巡り、若者たちの目線で三重の田舎を大調査。
彼らの視線や意見を過疎化が進む地域の活性化、ひいては移住定住に活かせられないか、とのプロジェクトが「愛知大学×サニーロードプロジェクト[主催:サニーロード誘客促進実行委員会(事務局:度会町)、運営:アド近鉄]」です。

今回は、その視察にOTONAMIE記者が同行。
学生たちが「調査・取材をしているところを取材する」という、何ともわかりずらい状況なのですが、例えるなら「焼肉を食べている人の顔を見ながら、となりで焼肉を焼いて食べる」といったところでしょうか・・。余計にわかりずらくなってしまったような・・。

▲写真左:加治准教授。

三重大学で地方創生系のキャリアを持つ、愛知大学現代中国学部の加治准教授にも同行いただき、まずは玉城町にある、ふるさと味工房アグリでスタッフの方にお話を聞きながらスタートです。

ウィンナーなどの加工肉コーナーの前で立ち止まる大学生の瀬戸さんに、どのあたりが気になるか聞いてみたました。

瀬戸さん:種類が多くて驚きました。「カレーウィンナー」とか「しそウィンナー」など、始めて見ました。

確かに。
ないものはない、と感じるくらいの加工肉フリーク必見のラインナップ。
こんな感じで学生たちの調査取材は続き、次の訪問先、TV番組「人生の楽園」でも紹介された、Uターン移住者が運営する、野の花亭へ。

 

何もやらなければ、やられていくだけです。

クルマで約10分。店に到着。

周囲には農地が広がり、見晴らしがよい。

野の花亭を営む楠川さんと、お母さん。

隣接する畑ではぶどうを育て、玉城産ワインの生産も行っている。

先ほど味工房アグリで見た、ブーブーカレーを発見!
これも野の花亭のご主人が開発したもの。

開放的な店内を眺める学生たち。

舟橋さん:おしゃれでもありますが、それよりとても落ち着く感じのお店ですね。

学生と准教授が楠川さんと机を囲み、いろいろとインタビューが始まった。
Uターン移住者でもある楠川さん。
学生時代、地元である玉城町で暮らしていたときは、早く田舎を出たいと考えていたという。
そして、桑名市で食品や飲食チェーンを手がける会社に就職。
その後、生まれ育った玉城に戻り、野の花亭を受け継いだ。

楠川さん:今の方がめちゃくちゃ大変です(笑)。サラリーマン時代は言われた事をやっていればよかったのですが、今は休み無しで働いている感じです。例え体を動かしていないときでも、頭は仕事のことを考えている、みたいな。

そう話す楠川さんだが、とても楽しそう。

楠川さん:以前に、都市部から団体のお客さんが観光バスで来店されました。田舎の風景や開放的な空気などに感動すると言っていただき、帰っていくバスが見えなくなるまで手を振ってくれました。田舎は何もないといわれますが、都会にない魅力が、ここには全部あると思います。

川瀬さん:仕事で心掛けていることは何ですか?

楠川さん:馴れて、過信しないことです。今でも毎日冷や汗がでます(笑)。

寺戸君:電車がなく、アクセスが良いとはいえないと思うのですが・・。

楠川さん:最悪でしょ(笑)。母とも「なんでこんな立地でお客さんがきてくれるのか、不思議やなー」って、よく話すんです。でもよくお客さんを見ると、常連さんが多いんですよ。田舎の口コミはとても早いです。私たちはそれを「田舎のインターネット」って呼んでいます。ネットなどで情報化された社会でも、信用できる人から聞いた「人の声」ほど強いものはないと実感しています。なのでチラシや広告を特に行う必要がなく、料理に集中することができるのは、ありがたいことです。

▲熱心にメモを取る学生さんたち。

学生から次々と質問が続く中、お母さんがお茶とスイーツを出してくれた。

キャビネットケーキと言うらしく、イギリスの家庭スイーツとのこと。
野の花亭の雰囲気そのままの優しい味。

楠川さん:逆に学生さんの地元や、暮らしている町のことをお聞きしたいです。

佐波君:今はキャンパスのある豊橋で暮らしています。そして就職もきっと地元の玉城ではないと思います。豊橋は電車などの交通アクセスがいいなと思います。どこの出身?と聞かれたときに「玉城」と言っても通じないことが多いので「伊勢」と言ってしまいます。

楠川さん:そこは「玉城」でいきましょ!ブーブーカレーでいきましょ(笑)。確かにね、伝わらないですよね。でも私は、地元を離れて暮らす人にも、そこで生まれ育った地元の声を上げて欲しいな、と。

加治准教授:玉城町の人口は、今は増えていますが、3〜4年後を考えるとね。日本全体の人口が減っているから。

楠川さん:地方にいても、何もしなければ、やられていくだけです。

そして楠川さんは「雇用を増やしたい」と語る。
地方の若者離れの原因として「地方には仕事がない」といわれることが多い。
そんな中、地域の特産品を生かした新しい製品の開発にも目を向け、仲間たちと取り組んでいる。
先に紹介したワインもその一つだ。

楠川さん:新しいものを作るのではなく、地元にあるものを生かして作る。

それが楠川さんの仕事の考え方だ。

川瀬さん:今日お店にきて、こういう場所だからこそ、新しいビジネスにチャレンジできる可能性があると思いました。

地方創生時代。
それをいくら授業や教科書で学んでも、やはり現地に行かないとわからないことがある。
例え地方に移住する気がなくても、地方を肌で感じて知ることは、将来的に何かの役に立つと私は思った。
Uターンして活躍されている楠川さんの楽しい話を聞いて、学生たちは明るい笑顔を見せるようになってきた。

野の花亭を後にして、海側の南伊勢町へ。
サニーロードをクルマで走り、南伊勢高校へ向かった。

 

生徒数43名。港町の県立南伊勢高校。地元を想う、高校生イノベーターたち。

南伊勢高校に到着。
時刻は16時半をまわっていた。

学校の隣りはすぐ海。
カモメの鳴き声が聞こえた。
どことなくもの悲しさを感じる、冬の夕暮れの海と空。
少し感傷的になってしまう自分がいた。

「今日はありがとうございます!」
さっき感じた感傷的な気分を打ち消す、元気な声が校舎に響く。
元気よく迎えてくれたのは、ソーシャルビジネスプロジェクト(以下SBP)という部活に入っている3年生の三名と、担当の中島先生。

写真左から
・竹内華さん
・加藤総心君
・井村有貴君

SBP部は地域に関するソーシャルグッドな活動をしている。
例えば、南伊勢町のマスコットキャラクターである「たいみー」のカタチをしたたい焼きを開発して物産フェアなどで販売したり、「あるもの探し〜まちの宝発見〜」として地元の事業者を訪ねたりしている。

その中でも筆者が今回注目したのが「セレクトギフト」。

南伊勢町の素晴らしいものを高校生の感性で選び、手書きの「ふるさとからのラブレター」という冊子とともに、商品を販売して郵送する仕組みだ。

▲試作を重ねたパッケージデザイン

井村君:年末には200箱くらい売れます。

筆者は、その販売数に驚いたわけだが、商品仕入れの交渉から高校生が行い、さらに高校生が行う地域活性事業ということで、値引き交渉も行うというのも驚きだ。
そして高校生たちは、単に「物を売る」のではなく「南伊勢の想い」を商品を通じて伝えていきたいという。
筆者は「ギフト」の持つ、本来の意味へと考えを巡らせていた。
その意味とは、相手に想いを伝えることであり、伝わったときに感じる喜びではないだろうか。
南伊勢在住の方や南伊勢出身の方が、県外に暮らす友人などにギフトとして贈るケースもあり、県外からも「美味しかった!」「ありがとう!」など嬉しい反響があり、手紙なども届くと教えていただいた。

寺戸君:なぜSBP部に入ろうと思ったのですか?

加藤君:元々、南伊勢が好きで地域に関するボランティアなどをしていました。南伊勢のためになるならと思い入部しました。

竹内さん:SBP部の先輩のプレゼンを聞いて「自分があまり南伊勢のことを知らないな」と思い、入りたいと思いました。

収益などは、例えばたいみーのたい焼きを焼く金型を新調するなど、今のサービスをより良くするために投資しているという。

加藤君:お小遣い稼ぎとかお金のためでなく、地元のためにやっています。

そんな彼らは、どんな将来を描いているのだろうか?

井村君:伊勢市の調理師学校に進学します。姉も製菓の学校に通っていたので、南伊勢は飲食店が少ないこともあり、姉と一緒にお店を作りたいです。

加藤君:大学で地域再生の勉強をします。卒業後は南伊勢に帰って、他の場所にはない、ここにしかない魅力を見つけていきたいです。

竹内さん:絵を描くのが好きなので、絵でみんなを幸せにしたいです。そしていつかは、ちゃんと戻ってきたいです。

加治准教授:地元を離れることに、不安や心苦しいことはありますか?

井村君:きれいな夕日や海が、日常からなくなることが不安です。地元の祭りや神事を残したいと思います。

竹内さん:都市部に暮らす親戚の家に行くと、森や海がないので閉塞感を感じます。南伊勢は住みやすい町だから、もどってきたいと思います。

寺戸くん:私は名古屋で生まれ育ったのですが、南伊勢町で海や魚以外の魅力って何ですか?

・・・、しばらく高校生たちは考えていた。

加藤君:あ!阿曽浦の橋からみる夕日!景色です。あそこは誰でも写真を撮りたくなると思います。

取材を終え、活発にディスカッションをしていた大学生の寺戸君に聞いてみた。

私:都市部で育った寺戸君として、今回の南伊勢の高校生はどういう印象でしたか?

寺戸君:いろんな意味でレベルが高いというか、意識が高い。都市部だったらもっと違うところに意欲を出すと思います。例えばインスタ映えする写真を撮るとか。

OTONAMIEの取材はここまで。
校舎を出ると、外は夜だった。
生まれ育ったところで見た景色。
それは、いつまでも覚えているものだ。
そして、歳を重ねるごとに、その景色が愛おしく思う。
きれいな夕日を誇りに思う高校生の目の輝きに、希望を見た気がした。

今回の大学生による視察は1泊2日。翌日は度会町に行く予定とのこと。
きっと都市部に学ぶ大学生たちは、さらに地域に触れ、多くの事を見聞きし、感じとったに違いない。

 

地域を想うあなたも、ぜひ参加しませんか!?

今回、大学生が行った視察などの発表会&報告会「愛知大学×サニーロードプロジェクト〜みえの魅力を語っちゃおう!〜」が開催されます。
都市部の大学に通う学生は、地方でどんなことを考え、感じたのでしょうか!?

発表会&報告会には大学生が視察に伺った先の方や、町役場や県庁の方、大学の関係者も参加。


そして僭越ながら、発表会のディスカッションコーナー(約1時間)、OTONAMIEから代表の私と、副代表の福田ミキさんがファシリテーターなどを務めさせていただきます。
明るく楽しい1時間になればと思っています。

<そして、読者の皆様のご参加も募集中です!>

愛知大学×サニーロードプロジェクト ~みえの田舎を語っちゃおう!~ 報告会&交流会
(主催:サニーロード誘客促進実行委員会 運営:アド近鉄)

>>日時
2月26日 16時~18時半(開場15時半~)

>>会場
グローバルゲート 名古屋コンベンションホール 小会議室208
〒453-6102 愛知県名古屋市中村区平池町4-60-12 グローバルゲート

>>定員
先着20名

>>お問合せ
サニーロード誘客促進実行委員会
(度会町産業振興課:0596-62-2416)
(メールアドレス 321road@gmail.com)

イベント当日はサニーロード周辺3町(玉城町・度会町・南伊勢町)の産品のお茶とお菓子をご用意しています。参加希望の方は下記のメールアドレスに必要事項を明記の上、お申込みください。

—お申込み先
321road@gmail.com
記載事項「お名前」「性別」「年齢」「職業」

 

 

yusuke.murayama

村山祐介。OTONAMIE代表。OTONA MASTER。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事

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