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いろいろあって伊勢の鰹節屋を継いでみた。

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えびゔぁでっ!大変、大変おひさしぶりでございます。
伊勢志摩の地にすくろう自称アーティスト、
ogurock(おぐろっく)です。

実物はもう少し怖くないです。てか全然怖くないです。

随分、本当に随分お久しぶりの投稿になってしましました。
お元気でしたか?僕は思いの外ちゃんと生きてます。
実は去年の秋、超絶元気だった父が
急病で突然亡くなってしまい、
まるで濁流にのまれるような時間を過ごしてました。
家族が一人亡くなるってのは大変な事なんだな。
家の中で、静かに確固たる何かが突然崩れ去りました。
一緒に住んでたバリバリ認知症全開のばあちゃんは
そんな折に世話をできる余裕もなく、
半ば勢いだけで介護施設に預けられ、
僅か2日間で実質家族は僕と母だけに。
家庭崩壊ってこんなにあっさりするもんなんだへえ〜
ってなってました。本当あっさりします。
びっくりした。仲良い家族だったから余計にね。
で、父が亡くなって母と二人きりになってから
突然山積みになった問題を解決していく中でまず
家業である鰹節屋を今後どうするのかという課題も
火の粉の様にサラサラと降ってきたわけです。

2年前の写真。懐かしいなぁ

僕の説明をちょろっとしますと、
5年ほど前に都会から伊勢に里帰りし、
普段は家の近所でいたって普通のサラリーマンをしつつ、
それ以外の時間ほぼ全てを舞台人として生きてきました。
去年、一昨年の平均出演本数は約100本ほど。
アマチュアのアーティストとしては比較的多い本数です。

そんな小黒家の岐路から約1ヶ月後の11月に父が逝き、
やむを得ず母と僕とで店を切盛りしていた間に降り注いだ、
「なんとか鰹節屋を継続してほしい」という、
たっくさんの声がズンとのしかかりました。
正直とても悩みました。だってそんな時間ないんだもん。
今の仕事も音楽も辞めたくないんだもん。
どっちも大好きだし。でもこのままではいかん。
息子としてなんとかしないと…
でも物理的に時間が割けない。どうしたらいいのこれ?
そもそも5年前に店継がない選択した僕が悪いの?
「長男なら家業継いで当たり前だろ?」
みたいな事言ってくる人一体何考えてんの?みたいな。
そんな自問自答を四六時中しながら過ごしてたせいか、
随分性格が荒みました。

そして父が生死を彷徨ったあげく力尽きるまで
約1ヶ月の間、途方もなく悩んだ挙句僕が選んだ道は

「全部やる」でした。

今までの人生に於いて、やって後悔した事より
やらずに後悔した事の方が遥かに多かったし
思えば随分遠回りをしてきた道でもありました。
今回くらい素直になろう。
そもそも鰹節屋の息子として
30年間育ててきてもらった恩がある。
父からは「今の時代こんな仕事儲からないから継ぐな」と
よく言われてたけど(だから継がなかったんだけど)
じいちゃんの代から伊勢の数多くの老舗を支えてきたのは
うちの鰹節だ、うちのダシだっていう小さなプライドもある。
ただ、芸事もなまじ緩い気持ちで続けてきたわけではない。
元はちょっとだけでもプロの現場に出て飯くってきた身。
家業か舞台かどちらかを取れといわれたら
誰から何を言われようと僕は後者を選択するだろう。
今一緒に夢を追っている仲間たちがとても大事だ。
それ自体がogurockのアイデンティティーそのものだ。
やすやすと捨てるわけにはいかない。
父のアイデンティも、僕のそれも全部大事だ。
全部大事な仲間たちだ。だからどれも捨てない。

なので、無駄な時間は一切作らず心身の疲れを溜めないよう
セルフケアを意識しつつ客観的に物事を観察しながら動こう。
やらない理由よりやる理由の方が多いから、
多分アホみたいに忙しくなるとは思うけど、
ぶっ倒れたら点滴でも打ってもらいながら
またその時考えよう。なんか僕っぽいスタンスだし。
まあいっか。人間そう簡単には死なない。
少なくとも父は倒れてから3週間以上も生きやがった。

そうやって去年の秋から生きてきたら
一瞬で2017年の秋になってました。
去年の冬になにしてたとか殆ど覚えてません。
出棺前、なんだか無性に腹たって
父の遺体どついたのは覚えてます。
多分人生で初めて父を殴りました。
父が緊急搬送されたのは去年の10月11日夜。
もうすぐ1年が経ちます。
この一年アホみたいに大変な事だらけでしたが、
本業も音楽も根性で続けてます。
何回か疲労でダウンしたりしましたが、
死んでないから大丈夫です。
そして、しれっと結婚したりもしました。

嫁さんも音楽も仕事もめっちゃ大好きです。
だからそのあたりは、わりかし幸せだよ。
お前のおかげで人生アホみたいに忙しくなったけど。
あとな、おかん寂しがらせてんじゃねえよドアホ。
お前の所為でおかんどんだけ泣いたと思ってんだ。
って父に言いたいです。
こんなに長い事父と喋らなかったのは
間違いなく生まれて初めて。

あいつと喋りたい事、山ほどあります。
言いたい事、聞きたい事、山ほどあります。

そう考えたらなんか寂しいなあ。

父、通称「おっちゃん」

伊勢の河崎の端っこにある
ちっちゃな鰹節屋、小久保商店。
そんなわけで僕と母に最近嫁もちょこっと加わり、
父亡き今、
なんとか伊勢の味の一端を担ってます。

伊勢の名物、伊勢うどん。タレの原料に厚く削った節をたくさん使います。
ちなみにこれね。

実は先月、蓄積された精神疲労により
やんわり低下しかかったモチベーションを
今一度上げるために、嫁を拉致して
鹿児島県は枕崎にある原料屋さんに行きました。
ぴちぴちの鰹が鰹節になっていくまでの光景は
感動に価するものでした。
やっぱり現場の空気をたとえ少しでも吸うのって大事です。
現場で汗水流して丁寧に作られた職人さんたちが
僕にパスした、やたらめったらいい匂いがする
カチカチの茶色いバトンは
余す事なくここ伊勢志摩の土地で
人々の胃袋と心に届いています。

枕崎の俯瞰。
燻されております@枕崎
枕崎の鮫正水産さん。みんな大好きだよー!

そんなバトンを担う人の一人として、
まだまだ頑張らないとな。

現在、母も僕も本業と両立して鰹節屋を営んでいるため
注文またはご来店の際は必ずご連絡をいただきますよう
お願いいたします。遠方から小久保商店に来たのに留守!
なんて事がザラにあります。何とぞご了承を!

最後に、OTONAMIEに
厚かましくも自らの家業の事を書いて失礼しました。
日本全国の鰹節屋さん、そして自営業やってる人たちが
どんだけ大変かを噛み締めながら、ぼくがんばるよー!

最高かよ。

花鰹・削り節
小久保商店

〒516−0009
三重県伊勢市河崎1丁目7−15
TEL:0596-28-5615(代)

FACEBOOK PAGE
https://www.facebook.com/kokubosyoten/

(日曜・祝日定休)
平日も配達などにより留守をしている場合が多いです。
必ず事前にご連絡をください

ogurock
ogurock。OTONAMIE公式記者。

伊勢市河崎在住のしがない路上アーティスト。
道端から見た普段の伊勢を、その景色のまま
お伝えできればコレ幸いです。みなさま何卒。
この記者が登場する映像

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