家具というモノ。アートというコト。三重でローカルな旬のアートに触れるなら・・・@VOLVOX

家具というモノ。アートというコト。三重でローカルな旬のアートに触れるなら・・・@VOLVOX

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“社会的視点と言えば大げさですが、そもそも私は大量生産の家具に対して一点物の家具を作っています。この地に育った木で、この地に暮らすためのモノを作る。これが自然だと思うのです。”

そう語る、家具職人の油田陽一朗さん。
三重県津市美里の工房にお邪魔した。

自然を眺めながら家具を作れる環境に羨ましさを感じつつ、作品や工房を見せていただいた。

家具に使う塗料は環境にいいものを使っている。

食材は国産のモノ、できれば県産のモノを食べたり、地酒を楽しむ。
そんなローカライゼーションの風潮のいま、家具はどうだろうか。

三重県に限らず、日本は森に恵まれている。
でもその地に暮らしていると、それは当たり前のことであまり意識したりはしない。

三重の木でつくる家。こんな感じの宣伝は、チラシやCMでよく触れる。確かに地元の木で家をつくれたらいいなと思うが、やはりそこは懐事情を優先させてしまったり・・・。

家具、特にイス。
地元の木と接する媒体として、イスはとてもキャッチーだと思う。
ズラッと地元の木で作られたイスが並んでいたら、特に何も考えることなく座ってみたくなる。

そして “おぉーこのイスは地元の木でできているのだな” と体と心のイスに対する馴染み具合が心地よかったりもする。

“素材はおおきい”
油田さんはいう。
北米、北海道、長野、三重など・・・。それぞれの木に特徴があり、家具をつくる場合にもその特性は大きく異なるという。
そして地元の木を使うことで、新しいモノができる。

三重の木とつくる子どもクラフト展で作られたブランコが工房にあった。

油田さんは、三重の木とつくる子どもクラフト展を昨年(平成28年3月、三重県主催)行った。
また今年の11月に、三重の木で作ったイスの展覧会(三重県民美術館県民ギャラリー)にも協力していて、自らも作家として参加する。複数の作家が参加予定だ。

VOLVOXが入っている四天王会館。
四天王会館には人気カフェpecorinoもある。

そんな油田さんは、三重県津市にあるアートギャラリーVOLVOXを運営している。三重県津市という地方で、アートギャラリー・・・。何だかいろいろと気になってインタビューさせていただいた。

—なぜVOLVOXを始めたのですか。

油田:3.11がきっかけです。ものすごいショックでした。
多分、日本中のみんなが、当たり前の日常の素晴らしさに気が付いたと思います。私もそう感じました。三重県津市という地方都市での暮らしが、自分にとっていかに大切なことなのか。地域の中で生きるということ。

—私も取材などを通じて、地域をみんなが見つめ直していると感じることがあります。

油田:以前はメディアからの情報は都会からの情報でした。それも刺激的でいいのですが、地域にはそれぞれに活動している、ものづくりの人や、絵を描いている人がいます。そのような人がいるのに、この地域はとてもクローズドだと感じていました。
私の役割として、再発見。プロデュースする場所と人がなかったので、ここならできると思いました。

—地方にある潜在的なニーズを顕在化させるのは、所謂見えないモノやコトを創り出すというのは、とても大変だと思います。どのような流れでVOLVOXをつくったのですか。

油田:3.11があって、いろいろと気持ちの変化がありました。そんなときに、この建物の所有者である四天王寺の住職さんからお話しをいただきました。2012年の春、当時はこの場所は幼稚園だったのですが、見た瞬間、ここでギャラリーをやったらいいと閃きました。
しかし、家具職人として自分の仕事でいっぱいいっぱいだったのに、本当にできるのかハードルの高さは感じていました。
でも、地域の日常への想いがあり、決心がはっきり着かないまま始めることになりました。
地元の作家さんに声をかけ、28名の作家が賛同してくれました。
事務局をお願いした方も “ヤッター!50代でやることが見つかった(笑)” と協力してもらっています。

—話は変わるのですが、VOLVOXの雰囲気、特に床材がとてもいいなと思っていたのですが。

油田:これね!足場の板なんです。昔の大工さんはこういった足場を使っていました。壁との相性がいいなと思います。これもVOLVOXをつくることが決まって、譲っていただいたモノです。この床材が譲っていただけると決まったときは、大げさですがなんだか神様が後押ししてくれているような気がしました。

 


 

今回の取材を経て、いろいろと頭に想いが巡った。

家具というモノ。アートというコト。
それと時代という風。

戦後、高度経済成長、バブル崩壊、3.11、地方創生。
暮らしが変わるのは意外と突然で、地方に吹く追い風はすぐそこまできているのかも知れません。

 


 

アートギャラリーVOLVOX
add 〒514-0004三重県津市栄町一丁目888四天王会館1階106号
hp http://www.volvox-stnk.net
fb https://www.facebook.com/volvox.stnk/

家具工房 NEW FOREST
add 〒514-2104三重県津市美里町家所4324
blog http://newforest4160.blog.fc2.com
tel/fax 059-279-3887

 

yusuke.murayama
村山祐介。OTONAMIE代表。OTONA MASTER。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事

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