【桑名市】ゆるい日差しとハーブティー、シフォンケーキを君と【はあぶ工房Together】

【桑名市】ゆるい日差しとハーブティー、シフォンケーキを君と【はあぶ工房Together】

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時は3月の日曜の昼下がり、車の中から見る風景は皆散歩したり、買い物をしたり。

穏やかで日頃の急いた気持ちはいつの間にかに溶けてなくなっている。

 

今日お邪魔するのは桑名市にあるカフェ「はあぶ工房Together」さん。

天然素材でできた小さな一軒家カフェ、実は昨年開催された伊勢志摩サミットにてファーストレディ、ジェントルマンにシフォンケーキを振る舞ったという経歴を持っている。そして、障がいを持っている方の自立支援、社会参加の場という役割も担っている。

外観2

その存在を以前から知っていたけれど、このタイミングで出向くことにしたのは前途の通り、サミットにも出品したケーキを食べてみたいということがあったから。そしてもう一つ、一緒にゆるりとした時間を共有したい人ができたから。普段ハーブとは無縁な彼でも、満ち足りるデートコースになるような気がして。

外観1

少し湿気を含み、しっとりとしてきた春の空気に似合うボタニカルな佇まいの外観。木でできた扉を開けると一番先に感じるのは清涼感のある香り。ハーブの香りだとすぐにわかる。 入ってすぐにはカフェメニューが。ボードにはピザの文字。なばなとしらすのピザだなんて、何て食欲をそそる組み合わせ。メニューはケーキやハーブティー以外にもサンドイッチ、うどんなどの創作香草料理がページを彩る。ランチ時に来ても満足できそう。しかも使っているハーブは全て無農薬栽培されているなんて。

 

メニューボード

 

さてオーダーは…やっぱり食べてみたい、伊勢志摩サミットで振る舞われたシフォンケーキ。そして2人ともやっぱり定番のハーブティー。私は一番人気の「オリジナルブレンドティー」を、花粉症気味の彼は、緩和効果が期待できる「まろやかブレンドティー」を。

menubook

料理を待つ時間にもぽつりぽつりと話す言葉の中にお店の事が顔を出す。鼻づまり気味でもわかる店内のハーブの香りのこと。ハーブとうどんという意外な組み合わせに挑戦してみたいという気持ちが湧き出てくること。そして窓の外に見える陽だまり、暖かな休日。 他愛もない会話が続く中、最初に運ばれてきたのは2種のハーブティー。 オリジナルブレンドティーを飲んで口内に広がるのは清々しい風味。飲みやすくてもう一杯オーダーしたくなる。 一方、まろやかブレンドティーも鼻に通る香りがスッとして心地よい、とのこと。

それぞれのハーブティーを楽しんでいると、運ばれてきたのは2色のシフォンケーキ。 ピンクはさくら、黄色はカモミールミルク。ちょっと特別に2色をワンプレートに盛り付けていただいている。 まずはさくらのシフォンケーキ。 生地の色は鮮やかな桜色。「紅こうじ」という天然素材からできた着色料を用いていて、見た目も華やか。ふわふわのスポンジ生地を口に運ぶと、練り込まれた桜の花の塩漬けからふわっと香りが広がる。少しの塩味が甘みを緩和させて控えめながら上品な味が楽しめる。

次にカモミールミルクのシフォンケーキ。プレーンなシフォンケーキながらも生地はさくらと同様にやわらかに、そして口の中に入れた時の食感のやさしさは、ほのかなカモミール風味と共に体内に染みこむ。

どちらも今まで食べたシフォンケーキの中でも一番かも、と思うぐらいの美味。程よい甘さに、普段甘いものに手が伸びづらい彼も頷いた二品に、さすがは各国首脳の奥様、旦那様の舌を楽しませたものだわと、感慨深さもこみ上げる。

シフォンみせ ティーメイン シフォン

 

そしてもう一品、実は店内に入った時から気になっていた瓶入りの黄色いジュース。味が濃いと評判の多度みかんを丸絞りしたジュースもグラスで追加オーダー。

見るからに濃厚な山吹色の果汁を一口、すると一瞬にして柑橘系の強い香りが爽快。でも酸味が想像よりもまろやかで甘さと風味が後を引く。太陽をいっぱい浴びて育ったのだろうな、という想像の風景が浮かぶ。

みかんジュース

 

***

 

折角なのでスタッフの方にお話を聞くことに。説明してくださったのは勤務して間もなく丸4年という三浦いぶきさん。

みうらさん

 

―まず、どのようないきさつで伊勢志摩サミットへの出品が決まったのでしょうか?

 

話は長くなるのですが、ある日、お客様の中ではなかなか見かけないスーツを着た男性が「女性にシフォンケーキを贈りたい、おすすめのものをホールでください」と言って訪ねてこられたんですね。そこでおすすめしたのがさくらのシフォンケーキだったんです。実はその男性は県の職員の方で、シフォンケーキを贈りたい女性というのは安倍晋三首相の奥様・昭恵さんだったんです。もともと昭恵さんはサミット内で障がい者雇用の場で作られたものを食べていただきたい、という想いの下三重県内で提供するのにふさわしいものを探されていたみたいで。その話を聞いた鈴木英敬知事が当工房に白羽の矢を立ててくださったんです。 実は4年前にこのカフェで「みえの現場・すごいやんかトーク」という、鈴木知事と市民の談話会が県主催で開かれたのですが、その時に鈴木知事もシフォンケーキを召し上がっていて。サミットを開催するにあたって推薦していただいたとのことなんです。連絡をいただいた時は驚きましたが、同時にとても嬉しかったですね。普段お出ししているメニューが世界7か国の代表のパートナーの方の口に運ばれるのですから。

 

ーこのきめ細かく、舌触りのよいスポンジならファーストレディ、ジェントルマンも納得するのが分かります。 では次に。話は変わって、多度みかんのジュースについて。とても濃くておいしかったのですが、何か特別な手法で栽培されたみかんからできているのですか?

 

このジュースを作るのに使われるみかんは、ハーブと同様、農薬を使わず作られています。昔、この辺りはみかん農家が多い地域でした。でもやはりここにも後継者不足の波が押し寄せていて。どんどんみかん畑が無くなっていったんです。そこで、そのみかん畑をお借りして無農薬栽培したところ、濃くて甘みの強いみかんがたわわに実を付けて。収穫直後にジュースにするために県内唯一のみかんをジュースにできる機械を使う為に熊野まで輸送もしているんですよ。

 

ー桑名から熊野であればその距離はゆうに片道100キロを越えますよね。そんな苦労を経てこんなに濃いジュースができるんですね。でもそうしてまでも作りたくなるのはバックグラウンドや、何よりも味わったら思いますね。

それでは最後に、何か伝えたい事はありますか?

 

実は4月1日に桑名市内にある九華公園のさくらまつりに合わせて「春を楽しむハーブ祭り」を開催します。本日お出ししたハーブティーやシフォンケーキ、みかんジュースも出品しますし、他にも焼きそば、フランクフルトの出店、焼き蛤コーナー、動物のバルーンやフラダンスのステージなどがある楽しいイベントです。 また、今年当工房は活動を始めて20周年になるのですが、それに合わせて桑名が生んだ画家、小林研三氏の展示も4月4~15日の期間、店内で行います。

それぞれ詳細はウェブサイトに掲載してありますので、ぜひチェックしてみてくださいね♪

 

おいしくてリラックスできる時間をありがとうございました^^

 

内観1

内観2彼とシフォンケーキ

 

***

 

カフェを後にして車の中、サミットにシフォンケーキを出品するまでの経緯やスタッフの方の思い、そして今日食べたハーブのメニューそれぞれの味を思い返していた。そして常に包み込むのはやわらかな空気。

ふと彼に「今日来てよかった?」と聞いてみると、「こういう場所って、男1人だったら来づらいけど、たまにはいいね。おいしかったし。」その返答。言葉は少ないけれど充実感は読み取れる。やっぱり、デートコースを提案してみて正解だったと実感。 味覚のみならず嗅覚や視覚まで、五感においしい時間を誰かと共有したいならきっと満足できる場所。一度訪れてみてはいかがでしょうか?

hiromi
hiromi。OTONAMIE公式記者。三重の結構な田舎生まれ、三重で一番都会辺り在住。デンマークに滞在していた事があるため北欧情報を与えてやるとややテンションが上がり気味になる美術の先生。得意ジャンルは田舎・グルメ・国際交流・アート・クラフト・デザイン・教育。